超音波パワードプラ法を用いた頸部リンパ節内の血流の評価
腫瘍やリンパ節病変における血流の評価について, 超音波カラードプラ法を用いた方法がいくつか報告されている. また最近開発されたパワードプラ法では, より低速の血流が評価しうるとされている. そこで, 我々は頭頸部悪性腫瘍患者の頸部リンパ節をパワードプラを用いて検査し, 転移リンパの特徴について検討した. 併せてカラードプラとパワードプラの血流検出能の比較を行った. 対象症例は頸部リンパ節転移が疑われた頭頸部悪性腫瘍患者22名とした. 超音波診断装置LOGIQ500(GE横河メディカル社製)を用いて通常のBモードおよびカラードプラ, パワードプラで頸部リンパ節を描出し, そのうち長径11mm以...
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Veröffentlicht in: | 歯科放射線 1997-09, Vol.37 (suppl), p.91-91 |
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Hauptverfasser: | , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 腫瘍やリンパ節病変における血流の評価について, 超音波カラードプラ法を用いた方法がいくつか報告されている. また最近開発されたパワードプラ法では, より低速の血流が評価しうるとされている. そこで, 我々は頭頸部悪性腫瘍患者の頸部リンパ節をパワードプラを用いて検査し, 転移リンパの特徴について検討した. 併せてカラードプラとパワードプラの血流検出能の比較を行った. 対象症例は頸部リンパ節転移が疑われた頭頸部悪性腫瘍患者22名とした. 超音波診断装置LOGIQ500(GE横河メディカル社製)を用いて通常のBモードおよびカラードプラ, パワードプラで頸部リンパ節を描出し, そのうち長径11mm以上で円形(短径/長径が0.5を超える)のものを転移を疑うリンパ節とした. そして, 血流パターンを1. 血流なし, 2. リンパ節内部に点状の血流あり, 3. リンパ節内部に帯状の血流あり, 4. リンパ節門部に相当する部位に血流あり, 5. リンパ節周囲に血流ありの5つに分類した. また, ドプラ信号の現れた部分の面積を画像処理プログラムPersonal Image(ライズ社製)を用いて測定することにより, カラードプラとパワードプラの血流検出能を比較した. (1)転移が疑われたリンパ節は49個で, そのうち病理組織診で転移が確認されたのは42個, 転移がなかったのは7個であった. 血流パターンは, 血流がなかったものは10個, リンパ節内部に点状の血流があったものは10個, リンパ節内部に帯状の血流があったものが3個, リンパ節門部に相当する部位に血流があったものは19個, リンパ節周囲に血流があったものは7個であった. リンパ節門部に相当する部位に血流がみられたリンパ節はすべて転移がなかったが, それ以外のパターンを示すリンパ節はすべて転移が認められた. (2)転移性リンパ節のうち内部にドプラ信号が検出されたものは32個でその平均長径は22mm, ドプラ信号が検出されなかったものは10個でその平均長径は11mmで, ドプラ信号の見られないものは小さなリンパ節に多かった. (3)転移性リンパ節の内部に見られた血流の部分の面積は, パワードプラのほうがカラードプラより大きかった. |
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ISSN: | 0389-9705 |