ヘリカルCTによる顎骨病変の診断について
〔目的〕顎顔面頭蓋骨は三次元的に複雑な形態を示しており, 通常の単純X線画像ではその病態を正確に把握することに困難な事がある. CTは断層撮影法であり骨病変の診断に極めて有効であると考えられる. しかし, 立体的構造を正確に理解することは, 画像を専門にするもの以外にとって容易ではない. 従来のconventional scanによる3D画像は, その画像としての信頼性に乏しいものがあった. 近年, helical scanの開発により短時間に広範囲な連続画像のdataが収集可能となり, 飛躍的に画質が向上している. 画像処理としては, 三次元表面再構成画像(以下3D)と任意断面再構成画像(以...
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Zusammenfassung: | 〔目的〕顎顔面頭蓋骨は三次元的に複雑な形態を示しており, 通常の単純X線画像ではその病態を正確に把握することに困難な事がある. CTは断層撮影法であり骨病変の診断に極めて有効であると考えられる. しかし, 立体的構造を正確に理解することは, 画像を専門にするもの以外にとって容易ではない. 従来のconventional scanによる3D画像は, その画像としての信頼性に乏しいものがあった. 近年, helical scanの開発により短時間に広範囲な連続画像のdataが収集可能となり, 飛躍的に画質が向上している. 画像処理としては, 三次元表面再構成画像(以下3D)と任意断面再構成画像(以下MPR)の2種類があげられる. しかし現在のところ顎骨病変におけるhelical scanの有用性に関する報告は少ない. 今回我々は, 下顎骨に病変の認められた9例についてhelical scanによる画像診断を経験し, 有用であったので報告する. 〔対象症例〕症例は1995年10月よりhelical scan CTをおこなった症例の中で, 顎骨に変化が認められた9例(病名:骨折2例, 嚢胞2例, 腫瘍3例, 骨髄炎2例, 性別:男性3例, 女性6例)である. 全症例とも手術が施行され, 術中所見と病理所見が得られている. 装置は東芝社製Vigor helical scan CT(Xtension system)を使用した. 撮影条件は120kV200mAを基準とし寝台移動速度3mm/secで行った. 〔検討方法〕3DとMPRについて, 病変の1)全体像, 2)辺縁の性状, 3)歯牙による影響など検討した. さらに, それらを手術所見およびパノラマX線像などの所見と対比した. 〔まとめ〕9例ともにヘリカルCTにより, 病変の全体像が容易に観察でき, 任意の断面における病変内部の辺縁の性状も観察できた. また, とくに嚢胞と腫瘍においては, 歯牙と病変の関係が確認され, 今後手術計画等に大変有効であると考えられた. |
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ISSN: | 0389-9705 |