エナメル上皮腫と歯原性角化嚢胞のCTによる画像診断学的比較

エナメル上皮腫と歯原性角化嚢胞は臨床的に鑑別の比較的困難な疾患であり, 画像診断学的にも, パノラマX線写真あるいは単純X線写真上での鑑別は苦慮することが少なくない. しかし両疾患の鑑別をすることは, その後の顎骨に対する侵襲程度や治療後の再発率等の予後を推測するうえで, 非常に重要であると考えられる1)~3). エナメル上皮腫が疑われる症例にたいしては, さらにComputed Tomography(以下CT)による精査を行う場合もある. その一つの理由として, 実際の治療にあたりCTは病変の範囲, 周囲組織との関係, 内部性状等を知る上で非常に有効である点をあげられる. また, エナメル上...

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Veröffentlicht in:歯科放射線 1997/09/05, Vol.37(3), pp.211-218
Hauptverfasser: 河津, 俊幸, 荒木, 和之, 吉浦, 一紀, 湯浅, 賢治, 神田, 重信, 樋口, 勝規, 大関, 悟, 篠原, 正徳
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:エナメル上皮腫と歯原性角化嚢胞は臨床的に鑑別の比較的困難な疾患であり, 画像診断学的にも, パノラマX線写真あるいは単純X線写真上での鑑別は苦慮することが少なくない. しかし両疾患の鑑別をすることは, その後の顎骨に対する侵襲程度や治療後の再発率等の予後を推測するうえで, 非常に重要であると考えられる1)~3). エナメル上皮腫が疑われる症例にたいしては, さらにComputed Tomography(以下CT)による精査を行う場合もある. その一つの理由として, 実際の治療にあたりCTは病変の範囲, 周囲組織との関係, 内部性状等を知る上で非常に有効である点をあげられる. また, エナメル上皮腫と歯原性角化嚢胞の鑑別には, 頬舌的膨隆の有無が重要であるとされている4)が, パノラマX線写真やデンタル写真等で骨皮質の頬舌的膨隆程度を判定するのが非常に困難であることも理由の一つである. 咬合法や頭部後前方向撮影は有用であるが, 歯列から離れた部位, 例えば下顎枝の内側などは咬合法の撮影は不可能であり, 頭部後前方向撮影では他の解剖学的構造物と重複して読影困難な場合も多い.
ISSN:0389-9705
2185-6311
DOI:10.11242/dentalradiology1960.37.211