AZ3000を用いた断層撮影における最適エックス線入射方向と振角についての検討
(目的) 近年, 顎顔面領域の画像診断機器として断層撮影可能な多機能パノラマ撮影装置が商品化されている. 一般の歯科診療, 特にインプラントの術前診査に導入されつつある. CT画像とは異なり, 断層撮影によって得られた画像は観察部位や解剖学的構造の違いによっても描出のされかたがかなり異なる. 解剖学的構造を最適に描出するために撮影条件を考慮する余地があると考えられる. そこで今回, 朝日レントゲン社製のAZ3000を用いて個々の歯におけるエックス線の入射方向と振角について基礎的実験をおこないその最適化を検討した. (方法) ドライスカルに直径1mmのスチールボールを咬合面や下顎孔, 切歯孔,...
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Veröffentlicht in: | 歯科放射線 1996, Vol.36 (suppl), p.87-87 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | (目的) 近年, 顎顔面領域の画像診断機器として断層撮影可能な多機能パノラマ撮影装置が商品化されている. 一般の歯科診療, 特にインプラントの術前診査に導入されつつある. CT画像とは異なり, 断層撮影によって得られた画像は観察部位や解剖学的構造の違いによっても描出のされかたがかなり異なる. 解剖学的構造を最適に描出するために撮影条件を考慮する余地があると考えられる. そこで今回, 朝日レントゲン社製のAZ3000を用いて個々の歯におけるエックス線の入射方向と振角について基礎的実験をおこないその最適化を検討した. (方法) ドライスカルに直径1mmのスチールボールを咬合面や下顎孔, 切歯孔, 眼窩下孔, 上下顎骨歯槽骨部, 関節頭, 等に接着させランドマークを設定した. ドライスカルを咬合平面上の任意の点を中心にして回転できるターンテーブル上にセットしAZ3000mmの断層撮影モードを用いて, ドライスカルをターンテーブル上で+/-30度の範囲で5度おきに変化させ, また同時に振角を25度から60度まで5度おきに変化させて撮影を行い, それぞれについてのエックス線の入射方向と振角を変化させた縦, 横断層画像を得た. ドライスカルのCT画像データを参照し各断層像に描出されたランドマークからエックス線入射方向の解析を行った. 解剖学的構造は, 下顎管, 下顎孔, 下顎骨の輪郭, 鼻腔底, 鼻中隔, 切歯孔, 切歯管, 犬歯窩, 上顎洞, 上顎結節, 骨梁, 顎関節を評価対象として, 確認できる, 確認できない, どちらともいえないの3段階に分類し, 個々の歯におけるエックス線の入射方向と振角の最適化について検討を加え解剖学的構造の観察最適化条件を導いた. (結果) それぞれの解剖学的構造には観察に適したエックス線入射部位と入射方向が存在した. そして, 振角については, 1)振角にはほとんど左右されずエックス線の入射方向にのみに依存するもの, 2)エックス線の入射方向の角度変化に従い振角の大きいものから描出できなくなる傾向のもの, 3)エックス線の入射方向の角度変化に従い振角の小さいものから描出できなくなる傾向のもの, 4)エックス線の入射方向の角度変化に従い振角の大きいものと小さいものの両方から描出できなくなる傾向のもの, 以上の4っの傾向が見られた. また解剖学的構造の位置, 走行方向, 大きさ, 形態によっても特有の傾向を示すことも確認された. |
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ISSN: | 0389-9705 |