CT画像とパノラマ画像の比較辺縁と内部構築について

〔目的〕従来のパノラマ画像に描出された病変をCT画像と詳細に対比させることにより, 病態の画像表示の違いを4症例について検討した. 〔結果〕症例1)パノラマ画像上での多胞性X線透過像は, 主病変と別に根尖病変が存在しているようにも見受けられたが, CT画像から, 舌側の皮質骨の欠損の重積であり, またパノラマ画像上の54歯根尖の骨硬化帯は, 境界部の明瞭な骨質によるものであった. 病理診断は未定であるが, 画像診断はkeratocystとした. 症例2)パノラマ画像上で二重の辺縁を呈した病変は, CT画像から遠心側では2重の隔壁が明らかであるが, 近心側ではそれ程明確ではなかった. 画像診断は...

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Hauptverfasser: 早川佳代子, 平岡孝志, 野井倉武憲
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:〔目的〕従来のパノラマ画像に描出された病変をCT画像と詳細に対比させることにより, 病態の画像表示の違いを4症例について検討した. 〔結果〕症例1)パノラマ画像上での多胞性X線透過像は, 主病変と別に根尖病変が存在しているようにも見受けられたが, CT画像から, 舌側の皮質骨の欠損の重積であり, またパノラマ画像上の54歯根尖の骨硬化帯は, 境界部の明瞭な骨質によるものであった. 病理診断は未定であるが, 画像診断はkeratocystとした. 症例2)パノラマ画像上で二重の辺縁を呈した病変は, CT画像から遠心側では2重の隔壁が明らかであるが, 近心側ではそれ程明確ではなかった. 画像診断はkeratocyst, 病理診断はsimple bone cystであった. 症例3)パノラマ画像上で樹枝状の繊細な隔壁様構造を呈した所見は, CT画像上では根尖部で病変内部の残骨に相当すると思われるが, 特に特徴的所見として頬側の膨隆した菲薄な辺縁の内側ではperiosteal reactionによると思われる棚状の配列構造が認められた. 画像診断, 病理診断ともodontogenic myxomaであった. 症例4)パノラマ画像上では上顎洞内部の個々の不透過物から外方へ向かうspiculaを認めた. CT画像では数個の小歯牙様物が散在し, その周辺には不定型の石灰化物が見られる. しかしCT画像では, パノラマ画像に見られるような繊細な放射状のspicula様の所見は見られなかった. 画像診断, 病理診断ともameloblastic fibrous odontomaであった.
ISSN:0389-9705