腺様歯原性腫瘍の1症例

腺様歯原性腫瘍は歯原性腫瘍の約3%を占める比較的まれな腫瘍とされており, 従来から種々のX線学的報告がなされているが単純X線像によるものがほとんどであり, X線CTやMRIによる報告はほとんどみられない. そこで今回我々は腺様歯原性腫瘍のCT, MR所見を経験したので報告する. 〔症例〕患者:14歳, 男性. 主訴:右側上顎犬歯の萌出不全. 現病歴:右側上顎犬歯未萌出のため某歯科医院を受診し, 診査の結果, 本学付属病院への受診をすすめられ, 1995年3月11日に来院した. 現症:右側上顎犬歯は欠損しており, 同部位は直径10mm程度の骨様硬の膨隆がみられた. 〔画像所見〕パノラマX線写真で...

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Veröffentlicht in:歯科放射線 1996, Vol.36 (2), p.124-125
Hauptverfasser: 山城光明, 金田隆, 岡田学, 柴田康則, 鈴木宏巳, 岡田裕之, 山本浩嗣, 南学, 佐々木康人
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:腺様歯原性腫瘍は歯原性腫瘍の約3%を占める比較的まれな腫瘍とされており, 従来から種々のX線学的報告がなされているが単純X線像によるものがほとんどであり, X線CTやMRIによる報告はほとんどみられない. そこで今回我々は腺様歯原性腫瘍のCT, MR所見を経験したので報告する. 〔症例〕患者:14歳, 男性. 主訴:右側上顎犬歯の萌出不全. 現病歴:右側上顎犬歯未萌出のため某歯科医院を受診し, 診査の結果, 本学付属病院への受診をすすめられ, 1995年3月11日に来院した. 現症:右側上顎犬歯は欠損しており, 同部位は直径10mm程度の骨様硬の膨隆がみられた. 〔画像所見〕パノラマX線写真で右側上顎側切歯から第一小臼歯にかけて離開しており, 右側上顎犬歯の歯冠から一部根尖を含むように境界明瞭なX線透過像がみられた. 口内法X線写真および咬合法X線写真にて, 内部には塊状および点状のX線不透過像がわずかにみられた. X線CTにおいて病巣は内部に散在するhigh density areaを含む境界明瞭なlow density areaとしてみられた. MRIでは病巣はT1強調像で中信号, T2強調像で比較的高信号を呈し, 病巣内部には石灰化物による点状のsignal voidを認めた. Gd-DTPA造影にて病巣内部は比較的均一な造影効果が見られた. 以上より病巣内部に石灰化物を含む腫瘍性疾患であると考えられた. 〔まとめ〕X線CTは病巣の境界, 石灰化物の検出に優れていたが石灰化歯原性嚢胞, 歯原性石灰化上皮腫との鑑別は困難であった. MRIではGd-DTPA造影にて病巣内部全体に造影効果が見られ, 石灰化歯原性嚢胞との鑑別は容易であったが歯原性石灰化上皮腫との鑑別は困難であった.
ISSN:0389-9705