当検査室におけるインシデントレポート数増加への取り組み
医療安全の向上にはできるだけ多くのインシデントレポート(以下,レポート)の提出が必要不可欠とされる。当検査室では2018年度から「one report, platinum report」をスローガンに掲げ,レポート数増加への取り組みを開始した。目標の明確化として「レベル0a・1のレポート数の前年度比50%増加」「医療安全ラウンドの実施」「検体容器へのバーコードラベル貼り付けの徹底」を掲げた。レポート提出方法の改善として,レポート提出を検査室医療安全委員会が一括して行うことで,インシデント事例の発見者が行う作業が大幅に軽減され,インシデント事例報告の心理的ハードルを下げた。看護部とのレポート共有...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 医学検査 2024/10/25, Vol.73(4), pp.780-786 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 医療安全の向上にはできるだけ多くのインシデントレポート(以下,レポート)の提出が必要不可欠とされる。当検査室では2018年度から「one report, platinum report」をスローガンに掲げ,レポート数増加への取り組みを開始した。目標の明確化として「レベル0a・1のレポート数の前年度比50%増加」「医療安全ラウンドの実施」「検体容器へのバーコードラベル貼り付けの徹底」を掲げた。レポート提出方法の改善として,レポート提出を検査室医療安全委員会が一括して行うことで,インシデント事例の発見者が行う作業が大幅に軽減され,インシデント事例報告の心理的ハードルを下げた。看護部とのレポート共有として,インシデント事例の分類を協議した上で,検体容器へのラベル貼り付けの徹底を重点項目とし,レポートを共有した。取り組み前後で総レポート数は326件から1,471件と約4.5倍に増加した。特にレベル0aは41件から465件の約11.3倍に増加した。項目別レポート数は,ラベル貼り付け不良は78件から649件の約8.3倍に増加した。ラベル貼り付け不良でも報告して欲しいと明確に謳うとともに,委員会が一括してレポート提出を行うことで,インシデント事例の発見者が行う作業が大幅に軽減され,インシデント事例を気軽に報告できるようになったためと考えられた。今後は豊富なレポートを根本原因の特定,有効な対策の立案などに活用し,医療安全の向上に役立てていきたい。 |
---|---|
ISSN: | 0915-8669 2188-5346 |
DOI: | 10.14932/jamt.24-22 |