液状プロトロンビン時間測定試薬「ヒーモスアイエル レディプラスチン」の基礎性能評価

従来,プロトロンビン時間(prothrombin time; PT)測定試薬の多くは凍結乾燥品であり,専用の溶解液や精製水を加えて調製する必要があったが,近年は調製が簡便な液状PT試薬が数社から発売されている。今回,液状PT試薬である「ヒーモスアイエル レディプラスチン」(アイ・エル・ジャパン株式会社)の基礎性能評価をACL TOP 550 CTS(アイ・エル・ジャパン株式会社)を用いて行ったので報告する。測定試料には2濃度のコントロール血漿および検査後残余患者血漿を用いた。併行精度(repeatability:同時再現性)は10回測定でCV 1.5%以下,オンボード安定性(onboard s...

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Veröffentlicht in:医学検査 2024/10/25, Vol.73(4), pp.733-740
Hauptverfasser: 前山, 宏太, 小山田, 礼子, 白山, 楓亜, 三浦, 創
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:従来,プロトロンビン時間(prothrombin time; PT)測定試薬の多くは凍結乾燥品であり,専用の溶解液や精製水を加えて調製する必要があったが,近年は調製が簡便な液状PT試薬が数社から発売されている。今回,液状PT試薬である「ヒーモスアイエル レディプラスチン」(アイ・エル・ジャパン株式会社)の基礎性能評価をACL TOP 550 CTS(アイ・エル・ジャパン株式会社)を用いて行ったので報告する。測定試料には2濃度のコントロール血漿および検査後残余患者血漿を用いた。併行精度(repeatability:同時再現性)は10回測定でCV 1.5%以下,オンボード安定性(onboard stability:実測安定性)は1日2回,14日間測定でCV 3.0%以下だった。希釈直線性はPT活性で144.3%まで確認した。検出限界はPT活性で5.7%だった。共存物質による影響はいずれも変化率5%以下だった。ヘパリンの影響は未分画ヘパリン1.25 U/mLまで変化率10%以下だった。従来試薬との相関についてPT-INRでy = 0.987x − 0.0138,r = 0.9978だった。試薬調製時間について従来試薬は約34分かかったのに対して,検討試薬は1分以内であった。ヒーモスアイエル レディプラスチンの基礎性能は非常に良好で従来試薬との相関も高かった。従来試薬は凍結乾燥品のため調製に30分以上の時間がかかり,溶媒の分注誤差のリスクもあったが,検討試薬は2つの液状バイアルを混和するだけですぐに使用できるため,ユーザビリティが非常に高く,技師の負担が大幅に軽減されると考えられた。
ISSN:0915-8669
2188-5346
DOI:10.14932/jamt.24-25