相対的酸化ストレス度の亢進と動脈硬化性疾患との関連

活性酸素種の産生増加や抗酸化力の減衰による酸化ストレスの亢進は,動脈硬化の進展に関連していることが知られている。本研究では,一般人ボランティア1,073名(男性463名,女性610名,年齢19~77歳,平均年齢44.96歳)を対象に,血中酸化ストレス値と抗酸化力値を同時に測定し,各被験者の収縮期血圧,拡張期血圧,内頸動脈(intima media thickness; IMT)との関連性を検討した。その結果,酸化ストレス値が健常人基準範囲より増加していた群では正常群と比較して内頸動脈(IMT)が有意に増加していた。一方,抗酸化力値が低下していた群では正常群と比較して収縮期血圧,拡張期血圧,内頸...

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Veröffentlicht in:医学検査 2024/07/25, Vol.73(3), pp.417-422
Hauptverfasser: 鎌田, 理緒, 本木, 由香里, 金重, 里沙, 野島, 順三
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:活性酸素種の産生増加や抗酸化力の減衰による酸化ストレスの亢進は,動脈硬化の進展に関連していることが知られている。本研究では,一般人ボランティア1,073名(男性463名,女性610名,年齢19~77歳,平均年齢44.96歳)を対象に,血中酸化ストレス値と抗酸化力値を同時に測定し,各被験者の収縮期血圧,拡張期血圧,内頸動脈(intima media thickness; IMT)との関連性を検討した。その結果,酸化ストレス値が健常人基準範囲より増加していた群では正常群と比較して内頸動脈(IMT)が有意に増加していた。一方,抗酸化力値が低下していた群では正常群と比較して収縮期血圧,拡張期血圧,内頸動脈(IMT)が有意に増加していた。さらに,酸化ストレス値と抗酸化力値のバランス比である相対的酸化ストレス度指数(酸化ストレス値 ÷ 抗酸化力値 × 補正係数8.85で計測)が亢進していた群では正常群と比較して収縮期血圧および内頸動脈(IMT)が有意に増加していた。これらの結果より,相対的酸化ストレス度指数の亢進は,収縮期血圧の上昇および内頸動脈の肥厚など動脈硬化性疾患の進行に関連している可能性が示唆され,血中酸化ストレス値と抗酸化力値の評価は心血管系のバイオマーカー検査として有用であると考える。
ISSN:0915-8669
2188-5346
DOI:10.14932/jamt.23-102