高感度トロポニン検査試薬「ビトロス 高感度トロポニンI」の臨床的有用性の評価
心筋トロポニンIは心筋の損傷に特異的なマーカーとして知られており,健常人の99パーセンタイル値(判断値)を用いて心筋損傷の有無を予測する。測定試薬には高感度の定義があり,急性冠症候群ガイドライン(2018年改訂)でも高感度トロポニン測定が推奨されている。今回,化学発光酵素免疫測定法(CLEIA)を測定原理としたビトロス 高感度トロポニンI(ビトロスcTnI)の基礎的性能を評価し,患者検体を用いて対照試薬との臨床的有用性を評価した。ビトロスcTnIの併行精度は変動係数0.86~2.44%,室内再現性は変動係数2.19~4.57%と良好であった。共存物質の影響はビリルビンFで濃度依存的に低下傾向が...
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Veröffentlicht in: | 医学検査 2024/04/25, Vol.73(2), pp.251-257 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 心筋トロポニンIは心筋の損傷に特異的なマーカーとして知られており,健常人の99パーセンタイル値(判断値)を用いて心筋損傷の有無を予測する。測定試薬には高感度の定義があり,急性冠症候群ガイドライン(2018年改訂)でも高感度トロポニン測定が推奨されている。今回,化学発光酵素免疫測定法(CLEIA)を測定原理としたビトロス 高感度トロポニンI(ビトロスcTnI)の基礎的性能を評価し,患者検体を用いて対照試薬との臨床的有用性を評価した。ビトロスcTnIの併行精度は変動係数0.86~2.44%,室内再現性は変動係数2.19~4.57%と良好であった。共存物質の影響はビリルビンFで濃度依存的に低下傾向が確認できたが他の共存物質の影響は軽微であった。比較対照法のAIAパックCLトロポニンIとの相関はr = 0.983,y = 0.738x − 3.39と良好で,エクルーシス試薬トロポニンT hsとはr = 0.789,y = 3.149x − 60.969であった。AIA試薬との判断値での判定一致率は92.1%,エクルーシス試薬とでは86.7%であった。各試薬で判断値付近での乖離例が多い傾向が見られ,心電図やその他の検査結果も含めて臨床判断をする必要がある一方で,ビトロスcTnIはトロポニンが上昇することがないと言われている症例群において判断値以下となる傾向にあり,疾患特異性が高く急性心筋梗塞の診断に有用と考えられた。 |
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ISSN: | 0915-8669 2188-5346 |
DOI: | 10.14932/jamt.23-83 |