プロカルシトニン測定試薬の性能評価と臨床的有用性の評価
【背景】プロカルシトニン(PCT)は敗血症マーカーとして利用されており,ブラームス社の抗体を使用した測定試薬が発売されている。新たに富士フイルム和光純薬株式会社から独自の抗PCT抗体を用いた定量試薬「ミュータスワコー PCT」(μTAS)と「アキュラシードPCT」(Accuraseed),イムノクロマト法を原理とする半定量試薬「スムーズチェックワコーPCT」(Smooth Check)が発売されたので,性能評価と臨床的有用性の検証を行った。【方法】μTASとAccuraseedは,基礎的な性能と既存試薬との相関性について,Smooth Checkは技師間での判定一致率と定量試薬との一致率を検討...
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Veröffentlicht in: | 医学検査 2021/01/25, Vol.70(1), pp.66-73 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Zusammenfassung: | 【背景】プロカルシトニン(PCT)は敗血症マーカーとして利用されており,ブラームス社の抗体を使用した測定試薬が発売されている。新たに富士フイルム和光純薬株式会社から独自の抗PCT抗体を用いた定量試薬「ミュータスワコー PCT」(μTAS)と「アキュラシードPCT」(Accuraseed),イムノクロマト法を原理とする半定量試薬「スムーズチェックワコーPCT」(Smooth Check)が発売されたので,性能評価と臨床的有用性の検証を行った。【方法】μTASとAccuraseedは,基礎的な性能と既存試薬との相関性について,Smooth Checkは技師間での判定一致率と定量試薬との一致率を検討した。臨床的有用性は,高度救命救急センターに入院した294症例を対象に,PCT値と感染症の有無,血液培養およびqSOFAとの関係性から評価した。【結果】3試薬の性能と既存試薬との相関性は良好だった。臨床的有用性の検討では,感染症症例でPCT値は陰性から高値陽性まで幅広く分布し,血液培養陽性やqSOFA 2点以上の症例でより高値になる傾向が認められた。感染症がない症例では,82%でPCT値が陰性となったが,一部の外科手術後,重症外傷症例で高値陽性となった。【まとめ】新たに発売された3試薬の性能は良好だった。PCTは感染症の重症度に伴って高値になる傾向があり,敗血症診断の補助的マーカーとして有用である。 |
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ISSN: | 0915-8669 2188-5346 |
DOI: | 10.14932/jamt.20-73 |