心筋梗塞の経過観察中に発見した多発性乳頭状線維弾性腫

乳頭状線維弾性腫(papillary fibroelastoma; PFE)は原発性良性心臓腫瘍であり,粘液腫についで2番目に多い腫瘍である。PFEの多くは単発性であり,多発性は稀である。症例は50歳代,女性。急性前壁心筋梗塞を発症し,経皮的冠動脈インターベンションを施行した。退院後,循環器内科外来で経過観察となり,9ヶ月後に施行した経胸壁心エコー図検査にて大動脈弁に可動性を有する複数の腫瘤を認めた。腫瘤は左冠尖に2つ(5.0 × 3.6 mm, 4.4 × 3.2 mm),無冠尖に1つ(2.3 × 3.8 mm)認めた。経食道心エコー図検査(3Dエコー)においても経胸壁心エコー図検査と同部位...

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Veröffentlicht in:医学検査 2020/04/01, Vol.69(2), pp.247-252
Hauptverfasser: 加藤, 沙織, 山崎, 卓, 北里, 浩, 池本, 智一, 小出, 俊一, 伊藤, 彰彦, 角田, 隆輔, 鈴木, 龍介
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:乳頭状線維弾性腫(papillary fibroelastoma; PFE)は原発性良性心臓腫瘍であり,粘液腫についで2番目に多い腫瘍である。PFEの多くは単発性であり,多発性は稀である。症例は50歳代,女性。急性前壁心筋梗塞を発症し,経皮的冠動脈インターベンションを施行した。退院後,循環器内科外来で経過観察となり,9ヶ月後に施行した経胸壁心エコー図検査にて大動脈弁に可動性を有する複数の腫瘤を認めた。腫瘤は左冠尖に2つ(5.0 × 3.6 mm, 4.4 × 3.2 mm),無冠尖に1つ(2.3 × 3.8 mm)認めた。経食道心エコー図検査(3Dエコー)においても経胸壁心エコー図検査と同部位に腫瘤を認め,より明瞭に確認することができた。性状は球形で一部有茎性を呈しており,PFEが疑われた。塞栓症のリスクがあるため,腫瘍摘出術が施行された。手術所見にて大動脈弁には計6つの乳頭状の腫瘍性病変が確認され,病理組織検査の結果,腫瘍性病変はいずれもPFEと診断された。今回,心筋梗塞後の経過観察中に大動脈弁に多発するPFEを経験したので報告する。
ISSN:0915-8669
2188-5346
DOI:10.14932/jamt.19-71