神経伝導検査のF波測定における刺激誘発性反復放電の検討
M波後期にF波以外の活動電位を認めることがあり,その一つに刺激誘発性反復性放電(stimulus-induced repetitive discharge; SIRD)が存在する。SIRDの臨床的意義,発生機序に関しては統一見解がなく,疾患特異性がないと考えられている。そこで,今回われわれは,F波以外の活動電位を認めた症例を集積して,SIRDの臨床的意義について再検討を行った。全調査対象284例中80例(28.1%)において非F波を認めた。その内,均一な波形の症例は30例(10.6%)であった。さらに,非F波の出現様式について周期的・非周期的に分類すると,均一で周期的な非F波が認められたのは,...
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Veröffentlicht in: | 医学検査 2019/10/25, Vol.68(4), pp.737-742 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | M波後期にF波以外の活動電位を認めることがあり,その一つに刺激誘発性反復性放電(stimulus-induced repetitive discharge; SIRD)が存在する。SIRDの臨床的意義,発生機序に関しては統一見解がなく,疾患特異性がないと考えられている。そこで,今回われわれは,F波以外の活動電位を認めた症例を集積して,SIRDの臨床的意義について再検討を行った。全調査対象284例中80例(28.1%)において非F波を認めた。その内,均一な波形の症例は30例(10.6%)であった。さらに,非F波の出現様式について周期的・非周期的に分類すると,均一で周期的な非F波が認められたのは,糖尿病5例,筋萎縮性側索硬化症2例,Isaac症候群1例,そしてパーキンソン病1例であった。均一で周期的な非F波の検出部位は,非周期的なものと比較して運動神経伝導検査の異常部位との一致率が有意に高かった。一方,不均一な非F波は,不随運動を伴う疾患で多く認められ,随意収縮により人為的に導出することができたため,SIRDとするには慎重でなければならない。均一で,特に周期的な非F波がSIRDに該当し,何らかの神経障害を反映しており,今後の検討により臨床応用が可能と考えられた。しかし,M波の後期成分には,アーチファクトが混入する可能性があるため,非F波を判読するには注意する必要がある。 |
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ISSN: | 0915-8669 2188-5346 |
DOI: | 10.14932/jamt.19-45 |