当院における外来輸血の現状と課題

当院では外来輸血を実施するにあたり『外来輸血の安全のための基準(院内基準)』を作成し検討したが,実施場所および人員の確保が困難と判断したため実現できなかった。2014年に再検討し,対象患者を外来化学療法患者のみ,実施場所を限定することで実施可能と判断して開始に至った。現在は対象患者を他科へも拡大している。この度我々は,2014年4月から2017年12月までに外来輸血が指示された全症例(17件・実人数11名)を対象とし,現状把握のための調査を行った。外来輸血実施率は88.2%(15/17件),投与製剤は赤血球製剤13件・血小板製剤2件で,副作用や帰宅後の不調および急変は認めなかった。院内基準遵守...

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Veröffentlicht in:医学検査 2019/04/25, Vol.68(2), pp.353-357
Hauptverfasser: 濵田, 文香, 戸田, 聡江, 松本, 眞弓, 杉本, 美香, 佐藤, 達郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:当院では外来輸血を実施するにあたり『外来輸血の安全のための基準(院内基準)』を作成し検討したが,実施場所および人員の確保が困難と判断したため実現できなかった。2014年に再検討し,対象患者を外来化学療法患者のみ,実施場所を限定することで実施可能と判断して開始に至った。現在は対象患者を他科へも拡大している。この度我々は,2014年4月から2017年12月までに外来輸血が指示された全症例(17件・実人数11名)を対象とし,現状把握のための調査を行った。外来輸血実施率は88.2%(15/17件),投与製剤は赤血球製剤13件・血小板製剤2件で,副作用や帰宅後の不調および急変は認めなかった。院内基準遵守率は33.3%と低率であった。対象患者を拡大した際の周知が不十分であったと考えられた。今回の調査により,輸血を指示する医師だけでなく,診療に携わる看護師やクラーク,また輸血依頼を受ける検査技師など外来輸血に関わるすべてのスタッフが安全な輸血療法の提供への意識・知識を向上させる必要性を再認識した。
ISSN:0915-8669
2188-5346
DOI:10.14932/jamt.18-107