当院におけるカルバペネム耐性腸内細菌科細菌の検出状況

2015年1月~2017年12月の間に当院で臨床検体より分離され,菌名同定・感受性試験を実施した腸内細菌科細菌2,339例を対象とし,カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(carbapenem-resistant Enterobacteriaceae; CRE),カルバペネマーゼ産生腸内細菌科細菌(carbapenemase-producing Enterobacteriaceae; CPE)の検出状況を調査した。CREと判定された株は64株(2.7%)で,この内,CPEと判定された株は10株(0.4%)であった。CREの菌種はEnterobacter属が全体の66%を占め,CPEはK. pneum...

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Veröffentlicht in:医学検査 2019/04/25, Vol.68(2), pp.323-327
Hauptverfasser: 大草, 繁美, 畑中, 重克, 河村, 美里, 大橋, 有希子, 野中, 伸弘
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:2015年1月~2017年12月の間に当院で臨床検体より分離され,菌名同定・感受性試験を実施した腸内細菌科細菌2,339例を対象とし,カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(carbapenem-resistant Enterobacteriaceae; CRE),カルバペネマーゼ産生腸内細菌科細菌(carbapenemase-producing Enterobacteriaceae; CPE)の検出状況を調査した。CREと判定された株は64株(2.7%)で,この内,CPEと判定された株は10株(0.4%)であった。CREの菌種はEnterobacter属が全体の66%を占め,CPEはK. pneumoniaeとE. coli,CPEと判定された10例はすべてIMP-6であった。IMP-6ではステルス型の存在が報告されているが,今回の調査ではCPEはすべてCREとして検出された。当院においてCRE,CPEの明らかな増加傾向は認めなかったが,今後もアウトブレイクを未然に防ぐために速やかな検出と感染対策に取り組んでいく必要があると考える。特に,K. pneumoniaeとE. coliがCREとして検出された場合はCPEの可能性が高いと考え,迅速な対応が必要と考える。
ISSN:0915-8669
2188-5346
DOI:10.14932/jamt.18-55