EXTRAGEN ZRを用いたTRCReadyの結核菌群およびMAC検出性能の評価

抗酸菌を迅速に同定することは,治療方針の決定と院内感染対策において重要であり,迅速検査法として遺伝子検査が利用されている。今回,TRCReady(TRC,東ソー)のEXTRAGEN ZR(EX)とTRCR抗酸菌溶菌試薬(TRCR)を用いた結核菌群,Mycobacterium avium(MAV)およびM. intracellulare(MIN)の検出性能を検討した。前処理後の臨床検体(結核菌群:71検体,MAV/MIN:76検体)をTRCで測定し,EXとTRCRの一致率を算出した。M. bovis BCG,MAVおよびMINの標準菌株を用いて希釈系列を作製し,希釈液をTRCによる測定と定量培養...

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Veröffentlicht in:医学検査 2019/04/25, Vol.68(2), pp.296-301
Hauptverfasser: 渡辺, 直樹, 米沢, 太亨, 柳谷, 貴子, 花田, 大輔, 佐渡, 正敏, 藤井, 聡
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:抗酸菌を迅速に同定することは,治療方針の決定と院内感染対策において重要であり,迅速検査法として遺伝子検査が利用されている。今回,TRCReady(TRC,東ソー)のEXTRAGEN ZR(EX)とTRCR抗酸菌溶菌試薬(TRCR)を用いた結核菌群,Mycobacterium avium(MAV)およびM. intracellulare(MIN)の検出性能を検討した。前処理後の臨床検体(結核菌群:71検体,MAV/MIN:76検体)をTRCで測定し,EXとTRCRの一致率を算出した。M. bovis BCG,MAVおよびMINの標準菌株を用いて希釈系列を作製し,希釈液をTRCによる測定と定量培養した結果から検出感度を算出した。EXとTRCRの陽性/陰性一致率は,結核菌は33%(2/6),100%(65/65),MAVは57%(8/14),100%(62/62)であった。EXとTRCRの結果が乖離した10検体は,全てEX陽性/TRCR陰性かつ塗抹陰性であった。EXとTRCRの検出感度は,M. bovis BCGは60 CFU/mLと3,000 CFU/mL,MAVは30 CFU/mLと360 CFU/mL,MINは30 CFU/mLと690 CFU/mLであった。EXはTRCRより高感度であり,少量の菌を含む検体中の結核菌群,MAV,MINの検出に有用と考えられた。
ISSN:0915-8669
2188-5346
DOI:10.14932/jamt.18-113