ペースメーカ植込み患者における,右脚ブロック様波形を示した症例

恒久的ペースメーカ植込み患者の心電図波形は,右心室心尖部ペーシングの場合,胸部誘導のQRS波形は一般的には左脚ブロック様波形を呈すると考えられ,右脚ブロック様波形を呈した場合は,リードの位置異常や右心室の穿孔などが推測される。我々は,右心室ペーシング患者において標準12誘導心電図(12誘導心電図)記録を行い,右脚ブロック様波形を呈した1例を経験した。本症例は,胸部レントゲン,心臓超音波検査にて右心室リードの位置異常はないと確認できた。リードの位置異常を認めない場合にも,右脚ブロック様波形を示すことが報告されており,リードの位置を検討するため,胸部誘導の通常肋間より1肋間下部での記録,電気軸,移...

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Veröffentlicht in:医学検査 2018/10/25, Vol.67(5), pp.797-801
Hauptverfasser: 林, かんな, 森下, 律子, 松本, 実佳, 柳川, 香, 川住, 勇, 竹浦, 久司
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:恒久的ペースメーカ植込み患者の心電図波形は,右心室心尖部ペーシングの場合,胸部誘導のQRS波形は一般的には左脚ブロック様波形を呈すると考えられ,右脚ブロック様波形を呈した場合は,リードの位置異常や右心室の穿孔などが推測される。我々は,右心室ペーシング患者において標準12誘導心電図(12誘導心電図)記録を行い,右脚ブロック様波形を呈した1例を経験した。本症例は,胸部レントゲン,心臓超音波検査にて右心室リードの位置異常はないと確認できた。リードの位置異常を認めない場合にも,右脚ブロック様波形を示すことが報告されており,リードの位置を検討するため,胸部誘導の通常肋間より1肋間下部での記録,電気軸,移行帯などをみることが提唱されている。我々の報告も,胸部誘導での1肋間下部での記録で左脚ブロック様波形,電気軸は−30°,移行帯はV1とV2の間であることを認め,既報のアルゴリズムに相違はなかった。右心室リードの位置異常の検出に,心電図も有用な検査の一つと考えられた。
ISSN:0915-8669
2188-5346
DOI:10.14932/jamt.18-36