プロカルシトニン測定における測定前変動要因の評価―血清の容器移し替えによるプロカルシトニン濃度の偽低値現象

分析に用いる測定容器および保存容器がプロカルシトニン(procalcitonin; PCT)の測定値に与える影響を評価した。採血管の影響は認められなかった(p = 0.92)。検体をA社サンプルカップおよびB社サンプルチューブに移し替えて測定したPCT値は,採血管から直接サンプリングして測定したPCT濃度に比べて,5.6 ± 2.9%,3.8 ± 2.0%低下,2回目の移し替えでは7.4 ± 3.5%,11.0 ± 4.6%の低下が認められた。B社サンプルチューブに分注した後の時間の影響は,分注直後の0分後と2時間後のPCT低下率には有意な差は認められなかった(4.8 ± 2.7% vs 4....

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Veröffentlicht in:医学検査 2018/07/25, Vol.67(4), pp.437-442
Hauptverfasser: 大久保, 学, 古川, 聡子, 木村, 千紘, 河口, 勝憲, 通山, 薫
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:分析に用いる測定容器および保存容器がプロカルシトニン(procalcitonin; PCT)の測定値に与える影響を評価した。採血管の影響は認められなかった(p = 0.92)。検体をA社サンプルカップおよびB社サンプルチューブに移し替えて測定したPCT値は,採血管から直接サンプリングして測定したPCT濃度に比べて,5.6 ± 2.9%,3.8 ± 2.0%低下,2回目の移し替えでは7.4 ± 3.5%,11.0 ± 4.6%の低下が認められた。B社サンプルチューブに分注した後の時間の影響は,分注直後の0分後と2時間後のPCT低下率には有意な差は認められなかった(4.8 ± 2.7% vs 4.3 ± 4.6%, p = 0.61)。血清とB社サンプルチューブの接触する面積の影響は,接触する面積が7.3 cm2と21.1 cm2のPCT濃度はそれぞれ5.0 ± 3.7%,9.5 ± 5.2%低下した。保存容器であるC社,D社,およびE社保存チューブに移し替えたPCT濃度は6.9 ± 1.9%,6.7 ± 2.8%,4.2 ± 2.9%,2回目の移し替えでは,13.8 ± 3.3%,14.0 ± 4.1%,12.9 ± 3.2%,3回目の移し替えでは21.6 ± 2.3%,21.7 ± 4.8%,20.1 ± 3.0%の低下が認められた。よって,複数回の移し替えによるPCTの偽低値には注意が必要である。
ISSN:0915-8669
2188-5346
DOI:10.14932/jamt.18-10