京都大学医学部附属病院バイオバンクの立ち上げから現在の運営報告
バイオバンクとは医学研究に活用する目的で患者の生体試料(組織の一部,血液や尿など)とそれに関連する臨床情報を合わせて収集・保管する組織である。近年,国内外で様々なバイオバンクが設立され,各機関の運用目的に合わせて生体試料収集が行われている。京都大学医学部附属病院では2013年9月からキャンサーバイオバンク(Cancer Biobank,以下CBB)事業を立ち上げ,がんセンターを受診する患者のうち,同意の得られた患者の生体試料の収集を開始した。病院併設の利点を生かし,患者の経時的な臨床情報については電子カルテと連動する独自のデータベースで一元管理している。CBB開設当初は2診療科でスタートしたが...
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Veröffentlicht in: | 医学検査 2018/01/25, Vol.67(1), pp.84-89 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | バイオバンクとは医学研究に活用する目的で患者の生体試料(組織の一部,血液や尿など)とそれに関連する臨床情報を合わせて収集・保管する組織である。近年,国内外で様々なバイオバンクが設立され,各機関の運用目的に合わせて生体試料収集が行われている。京都大学医学部附属病院では2013年9月からキャンサーバイオバンク(Cancer Biobank,以下CBB)事業を立ち上げ,がんセンターを受診する患者のうち,同意の得られた患者の生体試料の収集を開始した。病院併設の利点を生かし,患者の経時的な臨床情報については電子カルテと連動する独自のデータベースで一元管理している。CBB開設当初は2診療科でスタートしたが,現在は計10の診療科が生体試料の採取,保管にCBBを利用している。2015年4月からはCBBのインフラを活用し,がん細胞の遺伝子を網羅的に解析するクリニカルシークエンス検査(OncoPrimeTM)も導入している。現在CBBは,①患者に対するバイオバンクの同意説明補助やバイオバンク用採血オーダー入力を担当するコーディネーター1名 ②生体試料採取後の処理から保管,DNA抽出作業,匿名化処理等を担当する生体試料管理担当者2名 ③臨床情報入力作業担当者1名 ④クリニカルシーケンス担当者2名の合計6名のスタッフが担当している。本稿では,CBB事業の立ち上げから現在の運営体制状況について紹介する。 |
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ISSN: | 0915-8669 2188-5346 |
DOI: | 10.14932/jamt.17-103 |