小児科における細菌性腸炎 (腸管出血性大腸炎, サルモネラ腸炎, カンピロバクター腸炎) の糞便からのPCR法による迅速診断法の構築

「要旨」 細菌性腸炎の診断には, 糞便検体の培養検査による原因細菌の検出が必須であるが, 培養結果確定までには3~5日の時間を要することが多い. 今回, 我々は小児科と連携し, 小児における代表的な細菌性腸炎である腸管出血性大腸炎, サルモネラ腸炎, カンピロバクター腸炎について糞便からの直接PCR法による早期迅速診断を行うこととした. 2015年3月から2016年11月までに当院の小児科において細菌性腸炎が疑われ入院管理となった症例8例(迅速法群)について糞便検体から直接PCR法と培養検査を行った. 2011年から2015年までのPCRを行わず培養検査のみで診断した症例9例(従来法群)を対象...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:医学検査 2018-01, Vol.67 (1), p.78-83
Hauptverfasser: 扇田裕允, 平岩理雅, 奥洞智太, 大関ゆか, 瀧北彰一, 成田努, 玉井浩
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」 細菌性腸炎の診断には, 糞便検体の培養検査による原因細菌の検出が必須であるが, 培養結果確定までには3~5日の時間を要することが多い. 今回, 我々は小児科と連携し, 小児における代表的な細菌性腸炎である腸管出血性大腸炎, サルモネラ腸炎, カンピロバクター腸炎について糞便からの直接PCR法による早期迅速診断を行うこととした. 2015年3月から2016年11月までに当院の小児科において細菌性腸炎が疑われ入院管理となった症例8例(迅速法群)について糞便検体から直接PCR法と培養検査を行った. 2011年から2015年までのPCRを行わず培養検査のみで診断した症例9例(従来法群)を対象とした. 迅速法群, 従来法群の培養による診断時間はそれぞれ平均3.68日と平均4.22日であった. これに対してPCRによる診断時間はすべての症例で3~5時間以内(平均0.20日)であった. 迅速法群と従来法群の培養による診断時間には有意差は認められなかったが, PCRの診断時間と培養の診断時間には有意な差を認めた(p
ISSN:0915-8669