化学発光酵素免疫測定法を用いた疾患特異的抗核抗体スクリーニング検査の有用性

抗核抗体検査は膠原病の診断において重要である。近年,化学発光酵素免疫測定法(CLEIA法)を原理とした疾患特異的抗核抗体のスクリーニング試薬が開発された。しかし,DNA感作磁性粒子においてプロゾーン様の現象が確認されたため,その後に試薬の改良がなされている。今回,我々はこの改良された試薬(CLEIA-ANA)について,従来試薬(ELISA-ANA)との相関性や一致性を検討するとともに,間接蛍光抗体法(IF-ANA)との比較解析等により臨床的有用性を評価した。CLEIA-ANAとELISA-ANAには有意な相関関係が認められた。両法の判定一致率は88.2%であり,使用抗原,測定環境や測定感度の違...

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Veröffentlicht in:医学検査 2017/05/25, Vol.66(3), pp.234-241
Hauptverfasser: 生戸, 健一, 林, 伸英, 大籔, 智奈美, 佐藤, 伊都子, 三枝, 淳
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:抗核抗体検査は膠原病の診断において重要である。近年,化学発光酵素免疫測定法(CLEIA法)を原理とした疾患特異的抗核抗体のスクリーニング試薬が開発された。しかし,DNA感作磁性粒子においてプロゾーン様の現象が確認されたため,その後に試薬の改良がなされている。今回,我々はこの改良された試薬(CLEIA-ANA)について,従来試薬(ELISA-ANA)との相関性や一致性を検討するとともに,間接蛍光抗体法(IF-ANA)との比較解析等により臨床的有用性を評価した。CLEIA-ANAとELISA-ANAには有意な相関関係が認められた。両法の判定一致率は88.2%であり,使用抗原,測定環境や測定感度の違い等により不一致が生じたと考えられた。臨床的有用性の評価では,CLEIA-ANAは健常人での陽性率が低率であり,健常人および各種膠原病患者での陽性率はカットオフ値160倍を使用したIF-ANAと同等であった。両法の判定一致率は86.3%と低率であったが,CLEIA-ANAは,IF-ANAで見落としやすい抗SS-A抗体や抗Jo-1抗体を含む8項目の疾患特異的抗核抗体のみを効率よく検出できていた。以上より,CLEIA-ANAは全自動で迅速(19分)な疾患特異的抗核抗体のスクリーニング検査として有用である。しかしながら,使用抗原や測定環境により捉えることのできない抗核抗体があり,今後の課題である。
ISSN:0915-8669
2188-5346
DOI:10.14932/jamt.16-62