顆粒球系幼若細胞分類における内部精度管理の構築と技師間差是正効果の検証

顆粒球系幼若細胞分類(骨髄芽球,前骨髄球,骨髄球,後骨髄球)の標準化と技師間差の是正を目的に,日本検査血液学会(JSLH)から公開された細胞画像(基準画像)を利用した内部精度管理(IQC)アプリケーションを開発した。これは検査担当者に基準画像をコンピュータモニタ上で分類させ,JSLHとの一致の程度を定量評価するものである。検査担当者3名を対象とし,細胞分類の結果をIQC実施前後半で比較した。さらに顆粒球系幼若細胞を目視分類した臨床検体を陽性検体と定義し,陽性検体数の検査担当者の違いによる変動(技師間差)をIQC開始前後で比較した。JSLHと担当者の全細胞種を含めた一致度を定量化したCohenの...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:医学検査 2017/01/25, Vol.66(1), pp.25-32
Hauptverfasser: 市村, 直也, 糸井, 彩子, 甲田, 祐樹, 大久保, 有希, 萩原, 三千男, 東田, 修二
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:顆粒球系幼若細胞分類(骨髄芽球,前骨髄球,骨髄球,後骨髄球)の標準化と技師間差の是正を目的に,日本検査血液学会(JSLH)から公開された細胞画像(基準画像)を利用した内部精度管理(IQC)アプリケーションを開発した。これは検査担当者に基準画像をコンピュータモニタ上で分類させ,JSLHとの一致の程度を定量評価するものである。検査担当者3名を対象とし,細胞分類の結果をIQC実施前後半で比較した。さらに顆粒球系幼若細胞を目視分類した臨床検体を陽性検体と定義し,陽性検体数の検査担当者の違いによる変動(技師間差)をIQC開始前後で比較した。JSLHと担当者の全細胞種を含めた一致度を定量化したCohenのκ係数は,IQC実施後半で有意に上昇した。また細胞別分類一致率は,中央値が100%に近接し,分散は縮小した。さらにIQC開始後,後骨髄球(p < 0.01)を除き,陽性検体数に技師間差を認めなかった。JSLH基準画像を利用したIQCの実施により,細胞分類の正確度と精密度が向上し,顆粒球系幼若細胞分類における技師間差を是正した。本研究は顆粒球系幼若細胞分類の標準化に寄与し,臨床検査値の品質の向上を期待できると結論する。
ISSN:0915-8669
2188-5346
DOI:10.14932/jamt.16-46