各種HBc抗体試薬の性能比較―低力価試料を用いた特異性評価

B型肝炎ウイルス(HBV)の再活性化は,HBs抗原陰性でHBc抗体ないしHBs抗体が陽性となった既往感染例においても起こり得る。今回,化学発光免疫測定法(chemiluminescent immunoassay; CLIA法)あるいは化学発光酵素免疫測定法(chemiluminescent enzyme immunoassay; CLEIA法)を原理とするHBc抗体測定試薬3法において,基準値1.0 C.O.I.付近の低力価試料を対象に特異性評価を行った。その結果,HBc抗原・抗ヒト(IgG)抗体の2ステップサンドイッチ法同士では判定一致率が96.1%であったのに対し,HBc抗原・HBc抗原の...

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Veröffentlicht in:医学検査 2015/09/25, Vol.64(5), pp.605-609
Hauptverfasser: 岩瀬, 友也, 大根, 久美子, 小池, 史泰, 可児, 里美, 脇本, 幸夫, 田中, 靖人
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:B型肝炎ウイルス(HBV)の再活性化は,HBs抗原陰性でHBc抗体ないしHBs抗体が陽性となった既往感染例においても起こり得る。今回,化学発光免疫測定法(chemiluminescent immunoassay; CLIA法)あるいは化学発光酵素免疫測定法(chemiluminescent enzyme immunoassay; CLEIA法)を原理とするHBc抗体測定試薬3法において,基準値1.0 C.O.I.付近の低力価試料を対象に特異性評価を行った。その結果,HBc抗原・抗ヒト(IgG)抗体の2ステップサンドイッチ法同士では判定一致率が96.1%であったのに対し,HBc抗原・HBc抗原の2ステップサンドイッチ法とHBc抗原・抗ヒト(IgG)抗体の2ステップサンドイッチ法との間では判定一致率が79.2%および80.5%と低い傾向が見られた。判定不一致例について精査したところ,いずれの測定法でも偽陰性・偽陽性が存在しており,カットオフ値付近の低力価検体に対してはどの方法も判定が困難であることが示唆された。HBV既往感染スクリーニング検査としてHBc抗体検査は有用であるが,既に免疫抑制・化学療法などが実施されて抗体価が低下している場合には,単独での判定に限界があるものと思われた。
ISSN:0915-8669
2188-5346
DOI:10.14932/jamt.15-19