当院におけるESBL産生菌の検出状況と遺伝子型について

ESBL産生菌は院内および市中感染の原因菌として増加傾向にあり,治療や感染対策上問題となっている.今回,2006年から2013年までに当院にて各種臨床検体から検出されたESBL産生菌の検出状況と遺伝子型について調査した.期間内に検出されたESBL産生菌434株の菌種別内訳は,E. coliが372株(85.7%),K. pneumoniaeが49株(11.3%),その他菌種が13株(3.0%)であった.検出株数の年次推移では,E. coliが2006年は15株から2013年は84株,K. pneumoniaeが2006年は2株から2013年は19株と増加が認められた.検出率も同様に増加傾向を示...

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Veröffentlicht in:医学検査 2014/11/25, Vol.63(6), pp.714-718
Hauptverfasser: 三好, そよ美, 根ヶ山, 清, 森田, 幸, 高橋, 美友紀, 荒井, 健, 村尾, 孝児
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:ESBL産生菌は院内および市中感染の原因菌として増加傾向にあり,治療や感染対策上問題となっている.今回,2006年から2013年までに当院にて各種臨床検体から検出されたESBL産生菌の検出状況と遺伝子型について調査した.期間内に検出されたESBL産生菌434株の菌種別内訳は,E. coliが372株(85.7%),K. pneumoniaeが49株(11.3%),その他菌種が13株(3.0%)であった.検出株数の年次推移では,E. coliが2006年は15株から2013年は84株,K. pneumoniaeが2006年は2株から2013年は19株と増加が認められた.検出率も同様に増加傾向を示し,2013年ではE. coliが20.0%,K. pneumoniaeが9.0%であった.遺伝子型はE. coliでは309株中CTX-M-9 groupが145株(46.9%)と最も多く,年次推移ではCTX-M-1 groupが増加傾向にあった.K. pneumoniaeでは81株中61株(75.3%)がCTX-M-9 groupであり,遺伝子型が偏る傾向が認められ,院内伝播の可能性が示唆された.ESBL産生菌は市中からの持ち込み例の増加や院内感染事例の報告もあるため,便の監視培養等も考慮した適切な感染対策が必要であると考えられた.
ISSN:0915-8669
2188-5346
DOI:10.14932/jamt.14-29