トリカブトの新品種の育成

トリカブトを薬の原料とする場合, 野生の収集品ではその産地により含有成分の種類や含量が一定ではなく, 安定した品質の原料を得ることは難しい. 品質を均一化するための手段としては, 品種を育成し遺伝的な変異を小さくすること, また栽培法1), 2), 3)を定め生産することなどが考えられる. 品質のよい原料を得るため, 三和生薬ではこれまでに栽培中のハナトリカブト晩生群の中から生育量が大きく, 成分含量の高い個体を見出し「サンワおくかぶと1号」(以下サンワ1号)として種苗登録し4), 栽培を行っている. つぎの育種目標として, 既存品種のハナトリカブト晩生に替わるものを考えた. サンワ1号がアコ...

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Veröffentlicht in:Natural Medicines 2004-08, Vol.58 (4), p.145-149
Hauptverfasser: 岡田浩明, 川口數美
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:トリカブトを薬の原料とする場合, 野生の収集品ではその産地により含有成分の種類や含量が一定ではなく, 安定した品質の原料を得ることは難しい. 品質を均一化するための手段としては, 品種を育成し遺伝的な変異を小さくすること, また栽培法1), 2), 3)を定め生産することなどが考えられる. 品質のよい原料を得るため, 三和生薬ではこれまでに栽培中のハナトリカブト晩生群の中から生育量が大きく, 成分含量の高い個体を見出し「サンワおくかぶと1号」(以下サンワ1号)として種苗登録し4), 栽培を行っている. つぎの育種目標として, 既存品種のハナトリカブト晩生に替わるものを考えた. サンワ1号がアコニチン系アルカロイド4成分をすべて含有するのに対し, ハナトリカブト晩生はこのうちのジェサコニチンを含有しない品種であるので, これまで長く生薬原料として使用してきた既存品種と同じ成分タイプ(ジェサコニチンを含有しない)でサンワ1号のように優れた栽培性収量性を持つ品種の育成を目標とした.
ISSN:1340-3443