市場品のいわゆるメシマコブの形態について1

担子菌類の抗腫瘍活性が報告2-4)され, メシマコブPhellinus linteus(BERK. et CURT. )TENGに最も強い作用が認められたことから, 市場でのメシマコブの需要が急激に増加し, いわゆる‘サルノコシカケ’と呼ばれる子実体が流通するようになってきた. そこで名古屋および大阪の市場品を集め, 市場での現状調査を行う目的でこれらの子実体について比較を行った. 市場品の外部形態は傘の形状から, 表面が黒褐色で偽殻化し, 環溝と縦横の亀裂が顕著で山形~蹄形のもの(A型), 表面は黒色で殻皮があり亀裂が少なく蹄形~鐘状のもの(B型), 表面は環溝が顕著で殻皮があり, 扁平~山...

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Veröffentlicht in:Natural Medicines 2002, Vol.56 (1), p.21-23
Hauptverfasser: 久田陽一, 奥田和代, 川村智子, 近藤寿美
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:担子菌類の抗腫瘍活性が報告2-4)され, メシマコブPhellinus linteus(BERK. et CURT. )TENGに最も強い作用が認められたことから, 市場でのメシマコブの需要が急激に増加し, いわゆる‘サルノコシカケ’と呼ばれる子実体が流通するようになってきた. そこで名古屋および大阪の市場品を集め, 市場での現状調査を行う目的でこれらの子実体について比較を行った. 市場品の外部形態は傘の形状から, 表面が黒褐色で偽殻化し, 環溝と縦横の亀裂が顕著で山形~蹄形のもの(A型), 表面は黒色で殻皮があり亀裂が少なく蹄形~鐘状のもの(B型), 表面は環溝が顕著で殻皮があり, 扁平~山形で下面は帯白色もの(C型)に分類された(Fig. 1). また, A型の下面は淡黄褐色~茶褐色で, 肉は黄茶褐色~茶褐色, 傘の部分と管孔層の肉が均質のものと, 管孔層に白色の2次菌糸が入り込んだものが見られた. B型の下面は黄褐色, 肉は黄褐色~茶褐色で傘の部分と管孔層に分かれている. C型では下面が灰黄白色~灰白色のものと灰褐色のもの(C')が見られ, 肉は淡黄褐色~暗褐色で層状を呈した. 顕微鏡的形態ではPhellinus 属を含むタバコウロコタケ科(Hymenochaetaceae)の特徴は先の尖った剛毛体(setae)を形成する5-7)と言われ, A型とB型の一部で確認できたが, 子実層が2次菌糸で覆われていたりして確認できないものもあった(Fig. 2). 管孔の口径や子実層托での管孔の密度は個々に異なっていた(TABLE I). 子実層托の菌糸はA型では管状, B型, C型では内孔が無いか, 孔が小さいものが多く見られた(Fig.2, TABLE I).
ISSN:1340-3443