漢薬資源植物の品質評価と優良系統の開発・増殖に関する研究

近年, 人々の健康に対する関心がとみに高まってきた. この傾向はわが国のみならず全世界でも見られ, 今や「自然に帰れ」の運動は世界的に拡がり, 伝統医学の再認識につながり, わが国においては漢方医学, 漢方薬ブームを引き起こしている. このことより漢薬を含めた生薬の使用量は, 10年前に比べて約10数倍に伸びている. 更に, 栽培面積, 栽培戸数も増加してきた. これに伴い, 最近, 生薬・漢方薬の効果に科学的な裏付けを行う目的で各研究施設で薬理活性ならびに有効成分の探索が行われている. しかしながら, ここでしばしば行きあたる問題は, 漢薬原料植物の栽培を行ったが流通性の無い不適当なものであ...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:生薬学雑誌 1996-06, Vol.50 (3), p.185-194
1. Verfasser: 神田博史
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:近年, 人々の健康に対する関心がとみに高まってきた. この傾向はわが国のみならず全世界でも見られ, 今や「自然に帰れ」の運動は世界的に拡がり, 伝統医学の再認識につながり, わが国においては漢方医学, 漢方薬ブームを引き起こしている. このことより漢薬を含めた生薬の使用量は, 10年前に比べて約10数倍に伸びている. 更に, 栽培面積, 栽培戸数も増加してきた. これに伴い, 最近, 生薬・漢方薬の効果に科学的な裏付けを行う目的で各研究施設で薬理活性ならびに有効成分の探索が行われている. しかしながら, ここでしばしば行きあたる問題は, 漢薬原料植物の栽培を行ったが流通性の無い不適当なものであったとか, 有効成分が検出できないものだったとか, ロットによって薬理効果に非常なバラツキが生じたとかいうことである. これらは材料である薬用植物の品質の不安定さ, ないしは「一薬多名」からくる同名異物の使用によるものである.
ISSN:1340-3443