薬用ニンジン形質転換根の増殖とジンセノサイド生産に与える植物ホルモンの影響

薬用ニンジン(Panax ginseng C. A. MEYER)は古来よりその根の部分が白参あるいは紅参として強壮, 強精などの漢方原料として使用されている重要な生薬で, その薬効の主要成分がジンセノサイドと呼ばれるProtopanaxadiol系及びProtopanaxatriol系のサポニンであることが知られている1,2). 薬用ニンジン根は, その栽培に長い年月を必要とし(5~7年), しかも栽培が容易ではないために高価である. それゆえ, 近年, その薬効成分であるジンセノサイドを植物組織培養技術により培養組織で生産する研究がなされてきた3~12). しかし, その培養組織はいずれも...

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Veröffentlicht in:生薬学雑誌 1995-09, Vol.49 (3), p.343-345
Hauptverfasser: 猪股慎二, 合津陽子, 横山峰幸
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:薬用ニンジン(Panax ginseng C. A. MEYER)は古来よりその根の部分が白参あるいは紅参として強壮, 強精などの漢方原料として使用されている重要な生薬で, その薬効の主要成分がジンセノサイドと呼ばれるProtopanaxadiol系及びProtopanaxatriol系のサポニンであることが知られている1,2). 薬用ニンジン根は, その栽培に長い年月を必要とし(5~7年), しかも栽培が容易ではないために高価である. それゆえ, 近年, その薬効成分であるジンセノサイドを植物組織培養技術により培養組織で生産する研究がなされてきた3~12). しかし, その培養組織はいずれも増殖速度が遅いことから, ジンセノサイド生産性は高くはなかった. 我々は増殖能の優れた薬用ニンジン組織を作出するために, Agrobacterium rhizogenesを用いて約100クローンの形質転換根を作出し, そのうち増殖速度とジンセノサイド生産性が優れた株(R52)を選抜した13). さらに培養条件の検討により, R52株がこれまでで最も高い成長速度を示すことを報告した13).
ISSN:1340-3443