ドクダミ中のフラボノール配糖体に関する研究

ドクダミ(Houttuynia cordata THUNBERG, Saururaceae)は, 古くから, 緩下薬及び利尿薬として多用されてきた薬草である. 局方には第7局からドクダミの花期の地上部がジュウヤクの名で収載され, 解説書には便通薬として, あるいは慢性皮膚疾患に利尿, 消炎の目的で使用すると記載されている. また, 漢方処方薬としては, 皮膚疾患用薬とみなされる五物解毒湯に配合されている2). その主要成分は, 中村ら3)によって報告されたquercitrin(I)で, 強力な利尿作用4), 強心作用, 持続的血管収縮作用, 抗菌作用5), 抗ウイルス作用6), 毛細血管脆弱性...

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Veröffentlicht in:生薬学雑誌 1994-12, Vol.48 (4), p.307-311
Hauptverfasser: 布施淳一, 金森久幸, 坂本征則, 矢原正治
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:ドクダミ(Houttuynia cordata THUNBERG, Saururaceae)は, 古くから, 緩下薬及び利尿薬として多用されてきた薬草である. 局方には第7局からドクダミの花期の地上部がジュウヤクの名で収載され, 解説書には便通薬として, あるいは慢性皮膚疾患に利尿, 消炎の目的で使用すると記載されている. また, 漢方処方薬としては, 皮膚疾患用薬とみなされる五物解毒湯に配合されている2). その主要成分は, 中村ら3)によって報告されたquercitrin(I)で, 強力な利尿作用4), 強心作用, 持続的血管収縮作用, 抗菌作用5), 抗ウイルス作用6), 毛細血管脆弱性の強化作用7), 白血球遊走阻止作用8), 糖尿病性白内障阻止作用9)を有することが報告されている. ドクダミの成分の化学的研究は, フラボノール配糖体に関するものが中心をなし, 局方収載時の資料としてその採取期を決定するため, 木村ら10)によって葉, 花穂のフラボノール配糖体の研究が行われ, 葉にのみIが, 花穂のみにisoquercitrin(II)が含まれることが報告された.
ISSN:1340-3443