中国の少数民族「彝族」の薬物の生薬学的研究

中国の四川, 雲南, 貴州省に居住する彝族は, 人口の面からみると中国第4番目の少数民族である. “袿邪”の方法に特徴のある伝統医学をもっており, 人体は“筋, 心, 肉, 骨, 血”の“五体”からなり2), “五体損傷”から病が生じるとする. 現在, 中国で傷薬として繁用される“雲南白薬”は彝族の開発した処方である3). 彝族の居住する地域は植物資源が豊富であり, したがって薬物も豊富で, 約430種類が使用されている. そのうち, 中薬の基源と同一または同類と考えられる薬物が約50種類あり, 現在の中薬の構成を調べる上からも興味深い地域であるが, これまで彝族薬物の本格的な調査研究はなされ...

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Veröffentlicht in:生薬学雑誌 1994, Vol.48 (2), p.131-140
Hauptverfasser: 周光春, 小松かつ子, 山路誠一, 難波恒雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:中国の四川, 雲南, 貴州省に居住する彝族は, 人口の面からみると中国第4番目の少数民族である. “袿邪”の方法に特徴のある伝統医学をもっており, 人体は“筋, 心, 肉, 骨, 血”の“五体”からなり2), “五体損傷”から病が生じるとする. 現在, 中国で傷薬として繁用される“雲南白薬”は彝族の開発した処方である3). 彝族の居住する地域は植物資源が豊富であり, したがって薬物も豊富で, 約430種類が使用されている. そのうち, 中薬の基源と同一または同類と考えられる薬物が約50種類あり, 現在の中薬の構成を調べる上からも興味深い地域であるが, これまで彝族薬物の本格的な調査研究はなされていない. そこで, 四川, 雲南省の彝族地区を中心にして調査を行い, 繁用生薬の基源を生薬学的に明らかにした. 本報では, 中薬「続断」と関連のある「A-ji-ba-mo」について報告する.
ISSN:1340-3443