HPLCによる漢方製剤“温清飲”の多成分同時分析法

一般に漢方製剤の品質管理は, 指標成分(処方を構成する各生薬に特徴的な主成分)の含有量を目安にして行われる. 分析法の多くは個々の指標成分のみを対象としたものであるため, 指標成分数が多くなるほど分析に要する操作と時間も増大せざるを得ないのが現状である2). そこで, より多くの成分を簡便に分析できる手法の開発が必要と考え, その一つとして, HPLCによる多成分同時分析法に着目した. 今回, アトピー性皮膚炎, 湿疹等に繁用される漢方製剤“温清飲”をモデルとして選択し3), 多成分同時分析に必要な各種条件について検討した. 温清飲は黄連解毒湯と四物湯の合方で, 構成生薬は8種, その配合比は...

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Veröffentlicht in:生薬学雑誌 1994-06, Vol.48 (2), p.111-115
Hauptverfasser: 高野伊知郎, 高橋奈穂子, 浜野朋子, 安田一郎, 瀬戸隆子, 渡辺四男也, 秋山和幸
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:一般に漢方製剤の品質管理は, 指標成分(処方を構成する各生薬に特徴的な主成分)の含有量を目安にして行われる. 分析法の多くは個々の指標成分のみを対象としたものであるため, 指標成分数が多くなるほど分析に要する操作と時間も増大せざるを得ないのが現状である2). そこで, より多くの成分を簡便に分析できる手法の開発が必要と考え, その一つとして, HPLCによる多成分同時分析法に着目した. 今回, アトピー性皮膚炎, 湿疹等に繁用される漢方製剤“温清飲”をモデルとして選択し3), 多成分同時分析に必要な各種条件について検討した. 温清飲は黄連解毒湯と四物湯の合方で, 構成生薬は8種, その配合比は地黄4.0, 当帰4.0, 川弓3.0, 芍薬3.0, 黄今3.0, 山梔子2.0, 黄連1.5, 黄柏1.5である. 今回, 指標成分としてgeniposide(1, 山梔子), paeoniflorin(2, 芍薬), baicalin(3, 黄今), berberine(4, 黄連, 黄柏), ligustilide(5, 当帰, 川弓)の5種を選定した.
ISSN:1340-3443