生薬中の金属の溶出
生葉は, 漢方薬あるいは民間薬として, 古くから使用されており, 近年その有効成分について多くの検討がなされている. その多くは, 生薬中の有機成分に関するものであり, 最近の分析技術の進歩とともに大きな成果をあげている. 一方, 生薬の無機成分に関しては, 比較的に報告が少なく, 萩庭ら2), 糸川ら3), 谿ら4), 志野木ら5), 岡崎ら6) の報告が, そのおもなものである. われわれは前報7)において, 生薬の安全性, 薬効などの再評価の一環として, また生薬の品質評価の一方法として, 50種類の生薬中の重金属含量を調査し, その結果を報告した. 生薬中の金属としては, 前同調査を実...
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Veröffentlicht in: | 生薬学雑誌 1982-09, Vol.36 (3), p.190-195 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 生葉は, 漢方薬あるいは民間薬として, 古くから使用されており, 近年その有効成分について多くの検討がなされている. その多くは, 生薬中の有機成分に関するものであり, 最近の分析技術の進歩とともに大きな成果をあげている. 一方, 生薬の無機成分に関しては, 比較的に報告が少なく, 萩庭ら2), 糸川ら3), 谿ら4), 志野木ら5), 岡崎ら6) の報告が, そのおもなものである. われわれは前報7)において, 生薬の安全性, 薬効などの再評価の一環として, また生薬の品質評価の一方法として, 50種類の生薬中の重金属含量を調査し, その結果を報告した. 生薬中の金属としては, 前同調査を実施したFe, Mn, Zn, Cu, Ni, Co, Pb, CdおよびHgのほかに, 比較的多量に含まれるものとして, Na, K, CaおよびMgがある. これらのものは, 植物中に広く存在する成分であるが, 生薬中の含有量について総合的に検討した例は少なく, 萩庭ら, 岡崎ら, 谿らの報告に一部みられるのみである. また生薬は, いわゆる“湯"として, 煎液を飲用する場合が多い. この場合は, 生薬中の含有量ではなく, 煎液中の金属の含有量が問題となる. そこで今回, “湯"の処方としてしばしば使用される約60種類の生薬をえらび, 生薬中および生薬の煎液中の金属を定量し, その溶出率を検討した. 金属としては, Na, K, Ca, Mgのほかに, 前回の検討で比較的多量に存在したFe, Mn, ZnおよびCuについても溶出率の検討を行った. |
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ISSN: | 0037-4377 |