柴胡桂枝湯の神経薬理学的研究(第1報)

柴胡桂枝湯は傷寒論, 金匱要略にも記載されている方剤であり, その証として発熱微悪寒, 支節煩疼, 微嘔, 心下支結等があげられている. 相見は, てんかんの患者に胸脇苦満と腹直筋の拘攣が多く認められることから, 柴胡桂湯に芍薬を増量して投与し, てんかんの治療にすぐれた効果を示すことを報告している2)abc. てんかんは現在の西洋医薬では, 発作を抑えるのみで治癒は不可能とされているのに対し, 漢方々剤では服用後数日から数年で発作がおこらなくなり, 多くの治癒例を得ていることは非常に興味が深い. 著者らは, 実験的にも柴胡桂枝湯が抗てんかん薬としての効果が認められるか否か, またその作用機序...

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Veröffentlicht in:生薬学雑誌 1975-12, Vol.29 (2), p.160-165
Hauptverfasser: 菅谷愛子a, 津田整a, 高頭迪明b, 高村圭一b, 菅谷英一bc
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:柴胡桂枝湯は傷寒論, 金匱要略にも記載されている方剤であり, その証として発熱微悪寒, 支節煩疼, 微嘔, 心下支結等があげられている. 相見は, てんかんの患者に胸脇苦満と腹直筋の拘攣が多く認められることから, 柴胡桂湯に芍薬を増量して投与し, てんかんの治療にすぐれた効果を示すことを報告している2)abc. てんかんは現在の西洋医薬では, 発作を抑えるのみで治癒は不可能とされているのに対し, 漢方々剤では服用後数日から数年で発作がおこらなくなり, 多くの治癒例を得ていることは非常に興味が深い. 著者らは, 実験的にも柴胡桂枝湯が抗てんかん薬としての効果が認められるか否か, またその作用機序について検討し, 若干の知見を得たので報告する. 実験材料および方法 1. 実験動物 温血動物の脳と同じような行動をとり, 神経生理学的にも多くの実験データがあることから, ミスジマイマイEuhadra peliomphalaの腹足神経節を用いて実験をおこなった. 2. 薬液の調製 柴胡桂枝湯は, 相見の処方3)にしたがって芍薬を増量した. 生薬の構成は次のようである. ()内は大塚, 矢数4)による量を示す.
ISSN:0037-4377