五苓散エキスの異なる製法による成分組成の比較

「緒言」 漢方薬は, 古くから生薬を煎剤, 散剤, 丸剤などの剤形にして服用されてきた. 近年の剤形の主流はエキス剤であり, 漢方エキス剤は製薬会社から販売され, 日本に広く流通している. 漢方エキス剤は, 漢方処方を煎じたものを濃縮・乾燥して顆粒や散剤, 錠剤の剤形にしたものである. 第十八改正日本薬局方には, エキス剤の製法が規定されており, 処方を構成する生薬を一定量ずつ量り取ったものを合わせ, そこに水を加えて一定時間加熱して得られた浸出液を濃縮・乾燥する, との記述がある. 一方で, ヨーロッパのエキス剤の製法は, 構成生薬を別々に抽出して単味エキス剤を生成し, その後それらを混合す...

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Veröffentlicht in:生薬学雑誌 2023/08/20, Vol.77(2), pp.83-89
Hauptverfasser: 大島, 朋子, 伊藤, 美千穂
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」 漢方薬は, 古くから生薬を煎剤, 散剤, 丸剤などの剤形にして服用されてきた. 近年の剤形の主流はエキス剤であり, 漢方エキス剤は製薬会社から販売され, 日本に広く流通している. 漢方エキス剤は, 漢方処方を煎じたものを濃縮・乾燥して顆粒や散剤, 錠剤の剤形にしたものである. 第十八改正日本薬局方には, エキス剤の製法が規定されており, 処方を構成する生薬を一定量ずつ量り取ったものを合わせ, そこに水を加えて一定時間加熱して得られた浸出液を濃縮・乾燥する, との記述がある. 一方で, ヨーロッパのエキス剤の製法は, 構成生薬を別々に抽出して単味エキス剤を生成し, その後それらを混合する, というものが一般的であり, こうして作られたものに対し, 欧州医薬品庁(European Medicines Agency)は, 生薬及び生薬製剤の品質評価のガイドラインとして詳細に定めている.
ISSN:1349-9114
2433-8486
DOI:10.24684/jspharm.77.2_83