漢方薬抽出自動包装機を用いた湯液品質の経時変化(1)―大黄甘草湯について

「緒言」漢方湯液の薬効発現には煎じ時間, 水の量など煎じ方が重要な役割を果たしている1~3). 中国や韓国では, 薬局で薬剤師が煎液を調製して患者に手渡しているが, 日本では, 煎じる作業を患者に任せることが多く, 正しく煎じられていない可能性がある4). それ故, 近年, 漢方薬抽出自動包装機が開発され, 実用化が進められている. 本装置では, 漢方湯液約1ヶ月分を一度に煎じて, 1服分ずつアルミパック包装できる. しかし, 長期保存による品質変化については十分な検討がされていない. そこで本研究では, 色彩, 味, 化学成分量を指標として, 本装置で調製した湯液の適切な保存条件と品質保証期...

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Veröffentlicht in:生薬学雑誌 2011, Vol.65 (2), p.103-107
Hauptverfasser: 堂井美里a, b, 安食菜穂子a, c, 伊奈小百合a, 吉光見稚代a, 川原信夫d, 合田幸広e, 垣内信子f, 御影雅幸a
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」漢方湯液の薬効発現には煎じ時間, 水の量など煎じ方が重要な役割を果たしている1~3). 中国や韓国では, 薬局で薬剤師が煎液を調製して患者に手渡しているが, 日本では, 煎じる作業を患者に任せることが多く, 正しく煎じられていない可能性がある4). それ故, 近年, 漢方薬抽出自動包装機が開発され, 実用化が進められている. 本装置では, 漢方湯液約1ヶ月分を一度に煎じて, 1服分ずつアルミパック包装できる. しかし, 長期保存による品質変化については十分な検討がされていない. そこで本研究では, 色彩, 味, 化学成分量を指標として, 本装置で調製した湯液の適切な保存条件と品質保証期間を検討する目的で, 第15改正日本薬局方5)に収載される大黄甘草湯について分析した. なお, これまでに湯液の保存による経時変化に関する報告はない. 「実験材料及び方法」「1. 生薬材料」日本薬局方ダイオウ(雅黄, 中国四川省産, ウチダ和漢薬Lot. US262303)及びカンゾウ(西北甘草, 中国寧夏回族自治区産, 同Lot. SU452905).
ISSN:1349-9114