ムラサキの根における表面積/重量比がエーテルエキス含有率へ及ぼす影響
「緒論」漢方薬原料であるムラサキ(生薬名;紫根)は, 供給のほとんどを中国からの野生品の輸入に依存しているが, 中国国内での需要の増加や野生資源の枯渇などを理由に, 日本における安定的な資源確保が困難な状況となっている. また, 日本では, レッドデータブック1)において, 「絶滅危惧IB類:近い将来における絶滅の危険性が高い種」に分類されている. これらのことから, 日本における資源の確保と絶滅危惧種の保護のために, 紫根の安定供給を目指した栽培技術の確立が強く望まれる. しかし, 栽培品のエーテルエキス含有率(品質評価において重要視され, 有効成分であるシコニン系色素含有率と相関性が高いと...
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Veröffentlicht in: | 生薬学雑誌(2006年から) 2010-08, Vol.64 (2), p.61-67 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「緒論」漢方薬原料であるムラサキ(生薬名;紫根)は, 供給のほとんどを中国からの野生品の輸入に依存しているが, 中国国内での需要の増加や野生資源の枯渇などを理由に, 日本における安定的な資源確保が困難な状況となっている. また, 日本では, レッドデータブック1)において, 「絶滅危惧IB類:近い将来における絶滅の危険性が高い種」に分類されている. これらのことから, 日本における資源の確保と絶滅危惧種の保護のために, 紫根の安定供給を目指した栽培技術の確立が強く望まれる. しかし, 栽培品のエーテルエキス含有率(品質評価において重要視され, 有効成分であるシコニン系色素含有率と相関性が高いと考えられる2))が, 中国野生品の含有率(2~3%)に比べ著しく低いことが問題となっている. 著者らはムラサキのシコニン系色素が根の周皮にしか存在しないことに着眼し, 根の表面積と重量の比率がエーテルエキス含有率に大きく関わっていると考えた. |
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ISSN: | 1349-9114 |