生薬ソヨウの成分含量測定法とペリルアルデヒドの安定性に関する検討

「1. 緒言」生薬ソヨウ(蘇葉)は, 第十五改正日本薬局方(JP15)においてシソ科(Labiatae)のシソPerilla frutescens Britton var. acuta Kudo又はチリメンジソPerilla frutescens Britton var. crispa Decaisneの葉および枝先と規定されている. 1) また漢方における配合処方としては香蘇散, 柴朴湯, 参蘇飲, 神秘湯, 半夏厚朴湯, 茯苓飲合半夏厚朴湯などがある. 薬用に用いるシソは, 葉が赤紫色で, シソの特有の香りであるペリルアルデヒド(perillaldehyde:以後PAと略す)臭が強いものが良品とされているが, 近年中国産のソヨウにペリルアルデヒド臭のしない粗悪なものが紛れ込んでいる. 現在JP15ではその確認試験法に無水酢酸と硫酸を用いたテルペン類の呈色反応を採用しているが, 本確認試験法のみではそのような粗悪な生薬の流入を防ぐことができないため, 早急に新たな規定作りが求められている.