円筒から半球へ - ヘルメット型PETはこうして誕生した

頭部専用PETの開発は2013年にスタートし, 約10年の研究成果をもとに実用化に至った. 現在の形に至るには, いくつもの分岐点があり, 選択した道には新たな課題もあった. 本稿では, こうした課題への取り組みや重要な方針決定に関わった研究を紹介する. 《1. 形状は円筒か半球か?》PETは, 検出器間距離が近いほど, 感度が上昇し分解能も良くなる. 現在の臨床用PETの検出器配置は全てリング状であるが, リングを小さくするだけでなく, 頭部の形に合わせて半球状にしたらどうなるだろうか. その形状の表面積をPET検出器で覆うとすると, 円筒部分(上下面を除く)は2πr×r=2πr(2r=半径...

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Veröffentlicht in:臨床核医学 2024-03, Vol.57 (2), p.21-24
Hauptverfasser: 高橋美和子, 赤松剛, 岩男悠真, 田島英朗, 田久創大, 吉田英治, 山谷泰賀
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:頭部専用PETの開発は2013年にスタートし, 約10年の研究成果をもとに実用化に至った. 現在の形に至るには, いくつもの分岐点があり, 選択した道には新たな課題もあった. 本稿では, こうした課題への取り組みや重要な方針決定に関わった研究を紹介する. 《1. 形状は円筒か半球か?》PETは, 検出器間距離が近いほど, 感度が上昇し分解能も良くなる. 現在の臨床用PETの検出器配置は全てリング状であるが, リングを小さくするだけでなく, 頭部の形に合わせて半球状にしたらどうなるだろうか. その形状の表面積をPET検出器で覆うとすると, 円筒部分(上下面を除く)は2πr×r=2πr(2r=半径), 半球は1/2×4πr2=2πr2であり同値となる. つまり, どちらの形状であっても同数の検出器でPET装置を作ることが出来る. 放射線検出感度を推定したところ, 円筒型で28%, 半球型では42%となり, 円筒型の1.5倍になることが分かった.
ISSN:0912-5817