遺伝性乳がん卵巣がんにおける家系員の遺伝学的検査受検率および背景因子に関する分析-日本HBOCコンソーシアム登録事業における試験登録データより

遺伝性乳がん卵巣がんでは適切なサーベイランスやリスク低減手術を講じることで,がんの早期発見や予防効果が認められている.日本では,BRCAに病的変異が認められている家系の家系員が,どの程度遺伝学的検査を受け,リスクに応じた適切な医療を受けているのか明らかになっていない. 本研究は,日本HBOCコンソーシアム登録委員会で2015年9月に集計された試験登録データを用いて,BRCAに病的変異が認められている家系を対象に,家系員の遺伝学的検査の受検率およびその背景因子を探索した.その結果,発端者以外の家系員が遺伝学的検査を受検した家系は180家系中75家系(41%)であり,殆どは女性であった.検査を受け...

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Veröffentlicht in:家族性腫瘍 2019, Vol.19(2), pp.60-65
Hauptverfasser: 大川, 恵, 横山, 士郎, 渡邊, 知映, 金井, 久子, 青木, 美紀子, 竹井, 淳子, 吉田, 敦, 山内, 英子, 日本HBOCコンソーシアム登録委員会
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:遺伝性乳がん卵巣がんでは適切なサーベイランスやリスク低減手術を講じることで,がんの早期発見や予防効果が認められている.日本では,BRCAに病的変異が認められている家系の家系員が,どの程度遺伝学的検査を受け,リスクに応じた適切な医療を受けているのか明らかになっていない. 本研究は,日本HBOCコンソーシアム登録委員会で2015年9月に集計された試験登録データを用いて,BRCAに病的変異が認められている家系を対象に,家系員の遺伝学的検査の受検率およびその背景因子を探索した.その結果,発端者以外の家系員が遺伝学的検査を受検した家系は180家系中75家系(41%)であり,殆どは女性であった.検査を受けた家系員のうち,乳がんに罹患している家系員では,その80%以上で発端者と同じ病的変異が確認された.また,BRCA病的変異が認められている家系員の遺伝学的検査受検率は,特に男性において低いことも考えられた.本研究で明らかになった背景因子を踏まえ,医療従事者がHBOCの家系員への情報提供に努め,遺伝学的検査の受検率向上を図る必要がある.
ISSN:1346-1052
2189-6674
DOI:10.18976/jsft.19.2_60