がん治療における家族性腫瘍と遺伝カウンセリング −福島県立医科大学附属病院がんの遺伝外来での取組み

福島県立医科大学器官制御外科では,東北のがん診療連携拠点病院の役割として,相談者中心の医療提供を目指した集学的治療を目指している.その一環として2002 年より遺伝外来が開設され,2006 年より非医師職のカウンセリングを専門に行う者を加えて協働体制を作ってきた.もっとも多い疾患はMEN1 型,2 型であり,続いてFAP,HNPCC,それ以外にHPPS 等の稀なものもある.こうした疾患を抱える相談者は,治療が発展した今日においても死を連想させる「がん」とさまざまな問題をはらむ「遺伝」という二重の不安に悩むことになる.さらに疾患自体が,数世代や長期にわたって取り組んでいかなければならないものであ...

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Veröffentlicht in:家族性腫瘍 2012, Vol.12(2), pp.39-42
Hauptverfasser: 角田, ますみ, 鈴木, 眞一, 中野, 恵一, 福島, 俊彦, 緑川, 早苗, 野水, 整, 竹之下, 誠一
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:福島県立医科大学器官制御外科では,東北のがん診療連携拠点病院の役割として,相談者中心の医療提供を目指した集学的治療を目指している.その一環として2002 年より遺伝外来が開設され,2006 年より非医師職のカウンセリングを専門に行う者を加えて協働体制を作ってきた.もっとも多い疾患はMEN1 型,2 型であり,続いてFAP,HNPCC,それ以外にHPPS 等の稀なものもある.こうした疾患を抱える相談者は,治療が発展した今日においても死を連想させる「がん」とさまざまな問題をはらむ「遺伝」という二重の不安に悩むことになる.さらに疾患自体が,数世代や長期にわたって取り組んでいかなければならないものであり,相談者が抱える問題は相談者が置かれている時期によってさまざまに変化する.また当外来には,遺伝子検査で変異が検出されず,臨床所見から限りなく家族性腫瘍の可能性が高いケースも多い.こうした場合,相談者は遺伝性であるかどうかが確定されないまま,治療に取り組んでいかなければならず,長期的にかなりの精神的ストレスを抱える.このような状況にある相談者と診療の間にたち,治療だけでなく相談者が満足を持って療養生活が送れるように,私たちは遺伝子検査前後だけでなく,長期にわたるフォローアップを視野に遺伝カウンセリングに取組んできた.その取組みを報告する.
ISSN:1346-1052
2189-6674
DOI:10.18976/jsft.12.2_39