(3) 切除不能進行胃癌を発症した神経線維腫症I型の1例

【症例】43歳 男性. 【家族歴】従兄弟:胃癌, 伯父・伯母:悪性腫瘍 (詳細不明). 【劇症】体幹部を中心にカフェオレ斑, 神経線維腫散在. 脊椎側彎症, 頭蓋骨欠損あり. 【現病歴】腹痛および急激な体重減少のため近医受診し, 上部消化管内視鏡にて胃に4型の腫瘍を認め管状腺癌と診断された. 精査にて病期4 (cT4N3M1) として当科に紹介された. 初診時に閉塞性黄疸を認め, 胆管狭窄部にステントを留置後TS-1+CDDP療法開始したが, 有害事象により中止. その後, 後腹膜膿瘍に対し開腹ドレナージを施行し, 2次化学療法としてPTX毎週療法を開始するも, 急性胆嚢炎を合併し再度緊急手術...

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Hauptverfasser: 杉山俊輔, 下平秀樹, 塩野雅俊, 吉田こず恵, 高橋信, 大堀久詔, 角道祐一, 秋山聖子, 森隆弘, 加藤俊介, 石岡千加史
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【症例】43歳 男性. 【家族歴】従兄弟:胃癌, 伯父・伯母:悪性腫瘍 (詳細不明). 【劇症】体幹部を中心にカフェオレ斑, 神経線維腫散在. 脊椎側彎症, 頭蓋骨欠損あり. 【現病歴】腹痛および急激な体重減少のため近医受診し, 上部消化管内視鏡にて胃に4型の腫瘍を認め管状腺癌と診断された. 精査にて病期4 (cT4N3M1) として当科に紹介された. 初診時に閉塞性黄疸を認め, 胆管狭窄部にステントを留置後TS-1+CDDP療法開始したが, 有害事象により中止. その後, 後腹膜膿瘍に対し開腹ドレナージを施行し, 2次化学療法としてPTX毎週療法を開始するも, 急性胆嚢炎を合併し再度緊急手術となった. 感染の危険性と全身状態悪化のため化学療法は断念し緩和医療となった. 【考察】本症例はカフェオレ斑, 神経線維腫, 脊椎側彎症などの典型的な症状を有する神経線維腫症I型であり, 家族歴のない孤発例である. 神経線維腫症I型に併発する悪性腫瘍は悪性末梢性神経鞘腫をはじめとする神経原性腫瘍で, 消化管では消化管間質腫瘍の頻度が高い. 上皮性の消化器癌を合併した報告も蓄積されているものの因果関係は不明である. われわれは神経線維腫症I型に若年で進行胃癌を併発した症例を経験した.
ISSN:1346-1052