SP-3 家族性腫瘍における家族間遺伝リスク伝達についての“伝え手”と“受け手”の捉え方に関する帰納的分析
家族性腫瘍における家族間遺伝リスク伝達について, 伝え手と受け手がどのように捉えているのか明らかにするため半構造化面接を用いた探索的研究を実施した. 対象は, 発症後の遺伝カウンセリング(GC)来談者(伝え手), および未発症時のGC来談者(受け手)とした. “伝え手”については, 血縁者への情報伝達に関する考え・配慮に焦点をあて, “受け手”については情報提供時の気持ちや要望について帰納的に分析した. 現在, 伝え手6名, 受け手4名のインタビューを終えた段階である. 家系内の情報伝達ルートは, 伝え手の調査では, 親密な血縁者に伝達しやすく, 伝達された血縁者から次の血縁者へと情報が広がる...
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Veröffentlicht in: | 家族性腫瘍 2009, Vol.9 (2), p.132-132 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 家族性腫瘍における家族間遺伝リスク伝達について, 伝え手と受け手がどのように捉えているのか明らかにするため半構造化面接を用いた探索的研究を実施した. 対象は, 発症後の遺伝カウンセリング(GC)来談者(伝え手), および未発症時のGC来談者(受け手)とした. “伝え手”については, 血縁者への情報伝達に関する考え・配慮に焦点をあて, “受け手”については情報提供時の気持ちや要望について帰納的に分析した. 現在, 伝え手6名, 受け手4名のインタビューを終えた段階である. 家系内の情報伝達ルートは, 伝え手の調査では, 親密な血縁者に伝達しやすく, 伝達された血縁者から次の血縁者へと情報が広がる状況が確認された. 一方, 受け手の調査では, 遺伝子診断を受けた人の配偶者(妻)を介して伝達される場合が確認され, 血縁者だけでなく非血縁者から伝達するのもよいと認識しているようであった. 情報伝達の場や雰囲気は, 伝え手の調査では, 自然な形で軽く日常会話の流れの中で伝達しようと考えていることが確認されつつある. 受け手の調査でも, 話のついでといった軽い様子で伝達されたと認識しており, 現時点ではGC来談者のみの対象ではあるが, 軽く伝えられることはポジティブに捉えているようであった. 情報伝達の量・内容については, 伝え手の調査では, 誰に何をどこまで伝達するか自分自身と相手のキャパシティーをアセスメントし, 会話の中で探りながら伝達する場合がある一方, 全てのat-risk血縁者に, 罹患可能性と遺伝子診断が利用可能なことを伝える場合もあった. 受け手の調査では, 提供される情報量は人によって幅はあるが, GC来談した人は提供された情報量に関係なく直ぐに遺伝子診断を受けることを決めており, 情報量が十分であることが, 来談につながるという関係性は認められなかった. これら伝え手・受け手双方の調査結果を基に, GCにおける情報伝達支援について検討したい. |
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ISSN: | 1346-1052 |