O-17 妊娠後期に診断されたMEN2Aの1治験例

MEN2Aでは甲状腺髄様癌と褐色細胞腫を認め, 常染色体優性遺伝形式をとる疾患であるが, 今回は妊娠後期に同胞がMEN2Aであることが判明し, 精査した結果, MEN2Aであった1例につき報告する. 症例, 30歳代, 女性. 当院産科に通院中. 妊娠31週にはじめて兄がMEN2Aであり, いずれ精査を受けるようにいわれたと, 主治医に説明し, 糖尿病内分泌代謝科を受診し, 両側の甲状腺腫大はあるも高血圧は既往も含めて認めなかった. 精査の結果カルシトニン10914ng/ml, CEA902ng/mlと高値を認め, RET遺伝子変異も認めた. さらに尿中カテコールアミン高値髄様癌と褐色細胞腫を...

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Veröffentlicht in:家族性腫瘍 2009, Vol.9 (2), p.126-126
Hauptverfasser: 菊地大輝, 鈴木眞一, 津田守弘, 鈴木興太, 大河内千代, 中野恵一, 福島俊彦, 本間美優樹, 緑川早苗, 橋本重厚, 渡辺毅, 竹之下誠一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:MEN2Aでは甲状腺髄様癌と褐色細胞腫を認め, 常染色体優性遺伝形式をとる疾患であるが, 今回は妊娠後期に同胞がMEN2Aであることが判明し, 精査した結果, MEN2Aであった1例につき報告する. 症例, 30歳代, 女性. 当院産科に通院中. 妊娠31週にはじめて兄がMEN2Aであり, いずれ精査を受けるようにいわれたと, 主治医に説明し, 糖尿病内分泌代謝科を受診し, 両側の甲状腺腫大はあるも高血圧は既往も含めて認めなかった. 精査の結果カルシトニン10914ng/ml, CEA902ng/mlと高値を認め, RET遺伝子変異も認めた. さらに尿中カテコールアミン高値髄様癌と褐色細胞腫を認めた. MRIでも左副腎に1cmの腫瘍を認め, αブロッカーで術前コントロール後, 妊娠37週に帝王切開による分娩施行(3238g). 術中高血圧発作出現なく経過. 出産後CT, I-MIBGシンチ等で精査後約3週間後に腹腔鏡下左副腎摘徐術施行した. 周術期経過良好であった. 術後血圧は100~120台で安定し, カテコラミン値も正常化した. 術後髄様癌の精査を行い, 右葉には60mm, 左葉には17mm, 15mmの結節を認め, さらに両側頸部リンパ節も腫大していた. 出産後約7週間後に甲状腺全摘術, D3bを施行した. 術後経過は良好で, 現在が来通院中である. MENの家族歴があるにもかかわらず, 妊娠後期まで本疾患が発見されなかった点について, カウンセリングや国内の専門家への連携についても検討したい.
ISSN:1346-1052