C2-2 家族性腫瘍の啓発・チームでの関わりの試み

【はじめに】当院にて家族性腫瘍相談室を立ち上げて8年になる. 数少ない症例ではあるが, 家族性乳癌が疑われる家系に出会い, 積極的な遺伝学的情報提供の必要性, 悪性疾患の早期発見の重要性を再認識した. 家族性腫瘍カウンセラー養成セミナーや家族性腫瘍学会に参加して, 医療チームで関わることの必要性を感じ, 家族性腫瘍の啓発活動に取り組んでいる. 【啓発活動の概要】当院では入院時に主治医が家族歴調査を行い, 家族性腫瘍相談室が家系図を回収し, 家族性腫瘍家系をピックアップしている. 昨年度より外来担当医師とがん相談支援・情報センターの協力を得て, カウンセリングがまだ出来ていない患者への声かけを開...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:家族性腫瘍 2008, Vol.8 (2), p.102-102
Hauptverfasser: 田所かおり, 大住省三, 那須淳一郎, 菊屋朋子, 井上実穂, ウロブレスキ順子, 青儀健二郎, 久保義郎, 谷水正人
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:【はじめに】当院にて家族性腫瘍相談室を立ち上げて8年になる. 数少ない症例ではあるが, 家族性乳癌が疑われる家系に出会い, 積極的な遺伝学的情報提供の必要性, 悪性疾患の早期発見の重要性を再認識した. 家族性腫瘍カウンセラー養成セミナーや家族性腫瘍学会に参加して, 医療チームで関わることの必要性を感じ, 家族性腫瘍の啓発活動に取り組んでいる. 【啓発活動の概要】当院では入院時に主治医が家族歴調査を行い, 家族性腫瘍相談室が家系図を回収し, 家族性腫瘍家系をピックアップしている. 昨年度より外来担当医師とがん相談支援・情報センターの協力を得て, カウンセリングがまだ出来ていない患者への声かけを開始した. このようなシステムの円滑な運用には異なる部署の医療者の理解と協力が不可欠であることから, 折を見て勉強会を行っている. 昨年は院外講師を招いて家族性腫瘍セミナーを行い, 今年は院内講義や病棟単位の勉強会を計画している. 家族性腫瘍相談室の活動, 遺伝カウンセリング・遺伝子検査などの具体的な流れ, そのような遺伝の不安に遭遇した時の医療者の関わり方の提案など実践的な内容を計画している. 【おわりに】日常臨床で, 遺伝性腫瘍に関する問題に遭遇することはさほど多くなく, 誰もがエキスパートになる必要はない. しかし患者・家族の遺伝性腫瘍に関する問題に漏れなく対応し支援するには, 医療者側での地道な家族性腫瘍の啓発活動や, 医療チームでの関わりが必要である.
ISSN:1346-1052