S6-2 腎細胞癌に対する経皮的ラジオ波焼灼術を用いた腎温存療法 -6症例9腫瘍の治療経験

6例(9腫瘍)の腎細胞癌に対してラジオ波焼灼術を経験した.平均年齢62歳(男性4例,女性2例).全例imperative caseであった.2例はvon Hippel-Lindau病に伴う遺伝性多発性腎細胞癌であり,4例は散発性腎細胞癌でありそのうち1例は慢性透析中の後天性嚢胞性腎疾患に発生した腎細胞癌であった.全例,局所麻酔と鎮静剤を用いCTガイド下に焼灼を行った.最大腫瘍径は平均4.4(1.8-8.1)cmであった,ジェネレーターの最高平均出力は103(45-140)ワット,最高平均温度は79.5(56-92)度,焼灼時間は平均6.3(1.3-12)分,術時間は平均106(45-165)分...

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Veröffentlicht in:家族性腫瘍 2007, Vol.7 (2), p.142-142
Hauptverfasser: 辛島尚, 井上啓史, 島本力, 庵地孝嗣, 吉道丈, 芦田真吾, 笠原高太郎, 西川宏志, 山崎一郎, 鎌田雅行, 執印太郎, 伊藤悟志, 小川恭弘
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:6例(9腫瘍)の腎細胞癌に対してラジオ波焼灼術を経験した.平均年齢62歳(男性4例,女性2例).全例imperative caseであった.2例はvon Hippel-Lindau病に伴う遺伝性多発性腎細胞癌であり,4例は散発性腎細胞癌でありそのうち1例は慢性透析中の後天性嚢胞性腎疾患に発生した腎細胞癌であった.全例,局所麻酔と鎮静剤を用いCTガイド下に焼灼を行った.最大腫瘍径は平均4.4(1.8-8.1)cmであった,ジェネレーターの最高平均出力は103(45-140)ワット,最高平均温度は79.5(56-92)度,焼灼時間は平均6.3(1.3-12)分,術時間は平均106(45-165)分であった.平均観察期間24(3.2-35.2)ヶ月で,局所制御率は4/9腫瘍(44.4%)であった.その後,VHL病の2例は遠隔転移をきたし,うち1例は癌死した.散発性腎癌の4例のうち1例は局所焼灼を再度行った.主な合併症として疼痛,嘔気,腎周囲血腫,発熱を認めたが,いずれも保存的に軽快した.本治療は腎細胞癌の局所治療として腎外側に存在する小さい腎細胞癌に対しては安全かつ有効と思われたが,腎中心部もしくは大きな腫瘍においては限界があった.これらはいずれもVHL病に伴う多発性の腎癌であった.遺伝性腎癌においても若年時からの慎重な対応により,小腫瘍のうちに本治療を駆使することで,延命が期待できると考える.
ISSN:1346-1052