遺伝性乳頭状腎癌の一家系

我々は, 遺伝性乳頭状腎癌(HPRC)の一家系を経験したので報告する. [症例]41才, 男性. 主訴:リンパ節腫脹. 家族歴:父26才時, 乳頭状腎癌で死亡(剖検あり). 叔父27才時に腎癌で死亡. 父親の同胞は4名で残り2名は健常. 患者の同胞は異父弟5名で健常. 一女あり16才健常. 現病歴:2003年8月より微熱出現. 近医受診し, リンパ節腫脹を認め某総合病院で入院精査を行ったが, 診断確定に至らず. 2003年12月5日, 射精後痛あり, 同院泌尿器科受診. 右鼠径リンパ節針生検にてcarcinomaの診断となる. CT上左腎下極の腫瘤と傍大動脈リンパ節の著明な腫大を指摘. 化学療...

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Hauptverfasser: 加藤誠之, 大堀久詔, 山浦玄悟, 柴田浩行, 大塚和令, 秋山聖子, 千葉奈津子, 酒寄真人, 吉岡孝志, 石岡千加史
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:我々は, 遺伝性乳頭状腎癌(HPRC)の一家系を経験したので報告する. [症例]41才, 男性. 主訴:リンパ節腫脹. 家族歴:父26才時, 乳頭状腎癌で死亡(剖検あり). 叔父27才時に腎癌で死亡. 父親の同胞は4名で残り2名は健常. 患者の同胞は異父弟5名で健常. 一女あり16才健常. 現病歴:2003年8月より微熱出現. 近医受診し, リンパ節腫脹を認め某総合病院で入院精査を行ったが, 診断確定に至らず. 2003年12月5日, 射精後痛あり, 同院泌尿器科受診. 右鼠径リンパ節針生検にてcarcinomaの診断となる. CT上左腎下極の腫瘤と傍大動脈リンパ節の著明な腫大を指摘. 化学療法目的にて2004年1月6日, 当科受診. 家族歴から遺伝性腎癌を強く疑い, 父親の剖検記録を調査したが, 乳頭状腎癌の診断であった. 入院後, 患者の同意を得て開放リンパ節生検を施行. 病理学的に乳頭状癌であり, 免疫組織化学上も腎原発として矛盾しなかった. 入院時LDHの上昇, 腫瘍マーカーNSE, CA15-3, SCCの軽度上昇を認めた. 入院後, 広汎な骨転移, 肝転移が指摘され, CDDP+GEMによる化学療法, 及び放射線療法を施行した. 遺伝子検索については, 東北大学医学部倫理委員会に研究計画を申請中であるが, MET 遺伝子変異が予測される症例であり, その結果も併せて報告する予定である.
ISSN:1346-1052