結節性硬化症(TSC1)の一例
結節性硬化症は全身の過誤腫を特徴とする常染色体優性遺伝性の疾患で, 近年その原因遺伝子TSC1, TSC2が染色体の9番, 16番上に同定された. これらの遺伝子産物であるhamartinとtuberinは全く異なったタンパク質であり, これら個々の作用についても報告されつつある. しかしながら, これら異なった原因遺伝子によって引き起こされるTSC1(結節性硬化症1型)とTSC2(結節性硬化症2型)を臨床的に区別することはできないと考えられてきた. 最近になって, TSC1, TSC2の臨床症状の特徴が示唆されだしてきている. 今回我々は, TSC1に異常が確認できた結節性硬化症の孤発例を経...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 家族性腫瘍 2003-01, Vol.3 (1), p.48-51 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 結節性硬化症は全身の過誤腫を特徴とする常染色体優性遺伝性の疾患で, 近年その原因遺伝子TSC1, TSC2が染色体の9番, 16番上に同定された. これらの遺伝子産物であるhamartinとtuberinは全く異なったタンパク質であり, これら個々の作用についても報告されつつある. しかしながら, これら異なった原因遺伝子によって引き起こされるTSC1(結節性硬化症1型)とTSC2(結節性硬化症2型)を臨床的に区別することはできないと考えられてきた. 最近になって, TSC1, TSC2の臨床症状の特徴が示唆されだしてきている. 今回我々は, TSC1に異常が確認できた結節性硬化症の孤発例を経験した. 本症例は, 三つ以上の白斑, シャグリンパッチ(結合織母斑)およびcortical tuberと結節性硬化症の診断基準の大症状を二つ以上満足する典型的な症例で, 家族全員の遺伝子検査を施行した結果, 患者のみに, TSC1のexon17に2bpのdeletion(de1211ON2)が認められ, TSC1の孤発例と確定診断できた. |
---|---|
ISSN: | 1346-1052 |