散発性神経芽腫における16番染色体短腕(家族性神経芽腫領域)のヘテロ接合性の消失(LOH)の解析
神経芽腫は, 網膜芽細胞腫(RB)やwilms腫瘍(WT)などと共に胎児性腫瘍の1つと考えられている. RB, WTは家系解析から, それぞれ癌抑制遺伝子であるRB1, WT1が単離された. 家族性神経芽腫(FNB)の頻度は非常に稀であり, FNBの責任領域はこれまで不明であったが, Marisらのグループが神経芽腫家系の連鎖解析からその領域を16p12-p13の21cMにマッピングした(AACR, 1999). 我々はこの結果に基づき, 散発性神経芽腫腫瘍検体470症例を用いて, LOH解析を行った. Mahsらの定めたFNB領域16p12-p13をカバーするように, D16S406-D16...
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Format: | Tagungsbericht |
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Zusammenfassung: | 神経芽腫は, 網膜芽細胞腫(RB)やwilms腫瘍(WT)などと共に胎児性腫瘍の1つと考えられている. RB, WTは家系解析から, それぞれ癌抑制遺伝子であるRB1, WT1が単離された. 家族性神経芽腫(FNB)の頻度は非常に稀であり, FNBの責任領域はこれまで不明であったが, Marisらのグループが神経芽腫家系の連鎖解析からその領域を16p12-p13の21cMにマッピングした(AACR, 1999). 我々はこの結果に基づき, 散発性神経芽腫腫瘍検体470症例を用いて, LOH解析を行った. Mahsらの定めたFNB領域16p12-p13をカバーするように, D16S406-D16S409の約46cMに存在する10個のマイクロサテライトマーカーを用いて解析した. 16pLOHの頻度は13% (61/470)で, Marisらの結果(21%)と比較して低頻度であった. しかし・16pLOH症例のうち, 74% (43/58症例, ρ = .035)はマススクリーニング症例で, 73% (44/60症例, ρ=.048)は1歳未満発症の症例で有意に欠失を認めたことから, この領域と予後良好な低年齢症例において相関することが判明した. さらに, 各々のサンプルの共通欠失領域から, D16S519-D16S748の2cM (Resion-1)とD16S3036-D16S420の6cM (Region-2)の2箇所に限定されることが判明した. 現在, この2つの共通欠失領域について解析を進めている. |
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ISSN: | 1346-1052 |