大腸癌家族歴を伴わない遺伝性非ポリポーシス

大腸癌家族歴のない異時性大腸多発癌, 子宮癌および胃癌の重複癌症例において, 多重癌は遺伝性非ポリポーシス大腸癌(HNPCC)の臨床的特徴のひとつであるので, ミスマッチ修復遺伝子の生殖細胞変異を検索したところhMSH2に変異を認めた. 保因者診断として患者の兄弟と子供に遺伝子検査を実施したが, 患者と同じ遺伝子変異は認められなかった. 大腸癌家族歴のない大腸癌孤発例であっても, ミスマッチ修復遺伝子の生殖細胞変異が認められればHNPCCと診断可能である. 患者の遺伝子診断が陽性であれば, 血縁者の発症前診断が可能であり, 患者にとっても多発癌および重複癌発生の予測となり得る. 遺伝性非ポリポ...

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Veröffentlicht in:家族性腫瘍 2001, Vol.1 (1), p.37-39
Hauptverfasser: 大木進司, 野水整, 山田睦夫, 渡辺文明, 菅野浩樹, 星野正美, 福島俊彦, 関川浩司, 土屋敦雄, 竹之下誠一, 阿部力哉, 秋山好光, 湯浅保仁
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:大腸癌家族歴のない異時性大腸多発癌, 子宮癌および胃癌の重複癌症例において, 多重癌は遺伝性非ポリポーシス大腸癌(HNPCC)の臨床的特徴のひとつであるので, ミスマッチ修復遺伝子の生殖細胞変異を検索したところhMSH2に変異を認めた. 保因者診断として患者の兄弟と子供に遺伝子検査を実施したが, 患者と同じ遺伝子変異は認められなかった. 大腸癌家族歴のない大腸癌孤発例であっても, ミスマッチ修復遺伝子の生殖細胞変異が認められればHNPCCと診断可能である. 患者の遺伝子診断が陽性であれば, 血縁者の発症前診断が可能であり, 患者にとっても多発癌および重複癌発生の予測となり得る. 遺伝性非ポリポーシス大腸癌(Hereditary Nonpolyposis Colorectal Cancer; HNPCC)は常染色体優性遺伝形式を示す遺伝性大腸癌で, 原因遺伝子はhMSH2やhMLH1遺伝子などのミスマッチ修復遺伝子である.
ISSN:1346-1052