OECD 加盟国36カ国の乳がん検診受診率から見る世界のブレスト・アウェアネスの実情
【背景・目的】ブレスト・アウェアネスは,乳がんの早期発見について考える上で大切な生活習慣であるが,本邦での認知度は5%と低い。本研究では,乳がん検診受診率の向上がブレスト・アウェアネス普及への第一歩となると考え,諸外国の乳がん検診に対する取り組みを調べることで,検診受診率を向上させる手がかりを得ることを目的とした。【方法】2019年時点でのOECD 加盟国36カ国を対象とし,各国政府の公文書,ウェブサイト,レビュー文献を元に調査を行った。検診受診率が75%以上と高い国,上昇傾向の国に共通していた,医療公共サービスのデジタル化,受診勧奨方法の工夫,検診費用の無料化の3つの項目に着目し,検討した。...
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Veröffentlicht in: | 日本乳癌検診学会誌 2023, Vol.32(2), pp.121-127 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【背景・目的】ブレスト・アウェアネスは,乳がんの早期発見について考える上で大切な生活習慣であるが,本邦での認知度は5%と低い。本研究では,乳がん検診受診率の向上がブレスト・アウェアネス普及への第一歩となると考え,諸外国の乳がん検診に対する取り組みを調べることで,検診受診率を向上させる手がかりを得ることを目的とした。【方法】2019年時点でのOECD 加盟国36カ国を対象とし,各国政府の公文書,ウェブサイト,レビュー文献を元に調査を行った。検診受診率が75%以上と高い国,上昇傾向の国に共通していた,医療公共サービスのデジタル化,受診勧奨方法の工夫,検診費用の無料化の3つの項目に着目し,検討した。【結果】医療公共サービスのデジタル化と乳がん検診受診率との間には,正の相関がみられた(相関係数は0.579,p 値は0.0037)。受診勧奨方法について,既に決められた日時がInvitation letter に記載されている国や,手紙以外の方法で通知を行っている国,家庭医が直接受診勧奨を行っている国があった。また,36カ国中26カ国以上が検診費用を無料にしていた。【結語】各国の乳がん検診受診率向上に向けた取り組みを調査した所,医療公共サービスのデジタル化,受診勧奨方法の工夫,検診費用の無料化が重要な要素となっていることが分かった。本邦においても,これらの要素を取り入れることで,検診受診率を向上させ,ブレスト・アウェアネスの普及につながることを期待する。 |
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ISSN: | 0918-0729 1882-6873 |
DOI: | 10.3804/jjabcs.32.121 |